『キャプテン・マーベル』
<ストーリー>
惑星ハラのクリー人によって結成されたスペース・フォースはシェイプシフターであるスクラル人の侵略と戦うためにチームと共に潜入するが、それは実は罠で隊員の一人バースはスクラル人に捕獲されてしまう・・・
<コメント>
他の惑星の戦闘部隊の日常という、これまでのマーベル作品と異なった雰囲気で始まるし、ユーモア感が全くないので最初はちょっと違和感があったけれども、主人公のバースが地球に落下してニック・フューリーと出合ってからは見事にマーベル映画っぽくなるから不思議なものだ。バースがニックと共にスクラル人と戦いながら失われた記憶を捜すシーンで挿入される彼女の過去が「女性であるために常に可能性を否定され続けた」という実に現代的なテーマであり、逆説的に今だからこそ納得のいくかたちで描写されていると言える。
そんな彼女が意識の底で尊敬している女性科学者ウェンディ・ローソンの足跡を追ううちに自分の意外な過去と特殊パワーを得るようになったいきさつを知る部分で初めてスーパーヒーローのオリジンものと気がつくほど知的サスペンス映画として良く出来ている。
そしてグリーンのスペース・フォースのスーツを赤と青のアメリカン・カラーのスーツに変えるところも実に納得。
この映画の中で結局彼女が「キャプテン・マーベル」と呼ばれるところはないけれども、確かに彼女がそう呼ばれるようになるであろうというところで終わっているのには感動してしまう。
しかしなんというか吹き替え版での水樹奈々と榊原良子の対決シーンは見ごたえと言うか、聞き応えがある。水樹奈々が普段の優しいっぽい声を封印して凛々しい部分だけというのも珍しいけれども、なんと言っても榊原良子の優しくて美しくてそして冷徹で怖いという部分が見事。
そして90年代という設定のこの映画の話が終わったあとにエンドロールの途中で現代のパートになって『アヴェンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の後の部分にはまさに痺れる。ああ!そうか、こういう描き方も許されるのか!!と。
キャプテン・マーベル
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