「絶対無敵ライジンオー　五次元帝国の逆襲」小説

『絶対無敵ライジンオー　五次元帝国の逆襲』
＜ストーリー＞
　陽昇高校に通う月城飛鳥は成績優秀でスポーツ万能な人気者だったが、ある日謎の黒い存在に吸い込まれ、気がつくと小学五年生の自分に戻っていた。しかもそこで彼は日向仁という見知らぬ少年と共に巨大ロボットのライジンオーのパイロットだった・・・
＜コメント＞
　まさか３０年近く前に大好きだった『ライジンオー』の続編を読めるとは・・・サンライズのロボットアニメの中で設定の凄さに関してエルドランシリーズを越えるものはそうそうないと思う。リアルロボットはさておいて、いわゆる巨大ロボットものといえば巨大ロボットを託された少年が正義のために、というものだけれども『ライジンオー』をはじめて見たときにはそのスケールと発想に感動した。多分全話ＬＤを買ったのもこの作品が最初ではないかな。
　だって、小学校に落ちてきた宇宙人が補習中の五年生の１クラスに巨大ロボット３台と秘密基地を託すんだよ。しかも学校が変形して教室が地下に入りパイロットの３人以外のクラス全員がオペレーターとして戦略とか探査とかを行うんだよ。なんか小学生にとって夢のような設定だった。番組もバラエティに富んだ面白さで子供達のミニマムな悩みや葛藤がそのまま巨大ロボット戦に反映した脚本作りも見事だった。
　原作・脚本を担当した園田英樹氏による本作は高校生になった飛鳥たちと小学校時代の戦いがリンクして戦うという変則的だけれどもしっかりと昔のままの『ライジンオー』で特に高校生になったかつての地球防衛組のメンバーたちが描写されていて実に懐かしい。
　主役が飛鳥なのはやっぱり小説にしたときに仁のようなデリカシーがない一直線だと物語としての葛藤が生まれないせいかな、と思っていたけれどもあとがきを読んで意外な事情に驚き、同時にクライマックスで飛鳥が叫ぶ「ライジンオー無敵合体！」のセリフに感動してしまった。

絶対無敵ライジンオー 五次元帝国の逆襲 (角川スニーカー文庫)
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