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2019年01月19日00:22

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ジュリアン

 中野ZEROホールで「ジュリアン」の試写。グザヴィエ・ルグラン監督によるフランス映画。冒頭20分は、家庭裁判所での離婚した夫婦の争い。両者の言い分は食い違うが、この時点ではどちらが嘘をついているかわからない。ここで11歳の息子ジュリアンの嘆願書が読み上げられる。父親を「あの男」と呼び、母に近づけないよう懇願する。これで父親がDV男とわかる。
 しかしジュリアンは週末を父親と過ごすことを命じられる。最初は社会派と思ったが、ここからサスペンス映画へ。父親は一見優しく息子に接しているように見えるが、どこか歪みがある。この映画は音楽が極端に少ない。その代り音で緊張感を高める。父親の運転する車が止まるブレーキ音、2人が車に乗り込んだ後のシートベルトの警告音にどきりとさせられる。
 父親は母親が住んでいる場所を聞き出そうとするが、主にジュリアンの緊張し、恐怖する表情を映して見せる。嘘の住所を教えて逃げる場面の表情もいい。子役が達者だ。
 もう一つの特徴は、長回しが多い。楽しいパーティ会場に不穏な空気が流れるワンカット。そして母と息子がいるアパートに、チャイムが何度も鳴り響く場面からの長回しは、もはやホラー映画のよう。予想と違った面白さがあった。
 アメリカの「ヘレディタリー 継承」や日本の「来る」は、ホラー映画の形をとって家族の崩壊を描いたが、こちらは家族のありようがホラー映画となる。世界的な流れがあるのか。
 ルグラン監督はこれが初の長編映画で、この前の短編は、この話の前編らしい。ジュリアン以外はキャストも同じ。こちらも観たくなった。
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