今年も恒例の上野オークラ新春イベントへ。映画は加藤義一監督の新作「痴漢電車 食い込み夢マッチ」。電車内で男が痴漢に遭っていた女を助ける。2人は高校の同級生で、再会を約束して別れる。2人とも恋人がいることがすぐに示される。男は失業し、セックスができない。女は恋人との間に微妙なずれがある。
導入部はシリアス物のように見えたが、話が進むにつれリアリズムが排除され、コメディとなる。鬱屈した男は、痴漢に遭う女を見て、痴漢の達人に弟子入りする。女は痴漢を撃退した痴女と知り合い、ともに痴漢に対抗しようとする。
痴漢集団は1人をイカせるごとに、「Eroka」に100円チャージする設定、元アイドルの青年の歯が、トニー・カーティス風に光るナンセンス、痴女の必殺技「ハイパーオナニッシュ」のバカらしさ、そして達人の正体に唖然。
このコメディ部分は楽しいが、展開に難がある。痴女が達人を追う場面の後消えてしまう理由が希薄。そして男が女によって捕まることで、自己を取り戻すのが違和感がある。その後に女の指に結婚指輪があることを見せ、女も解放されていることを見せるのはいいが、完全にナンセンスコメディにした方が良かったのではないか。
ラストシーンは加藤監督の傑作「痴漢電車 びんかん指先案内人」を思わせる。しかしあの作品ほどの感動はなかった。
上映後、支配人さんときみと歩実さんの前説。きみとさんが若い人や女性を劇場に呼びたいとしたのはよし。正月の福引で残ってしまったテレビをじゃんけんでプレゼントしたのは驚く。
その後浅美結花さん、桜木優希音さん、美泉咲さん、しじみさん、加藤義一監督が登場。桜木さんはさすがの人気。浅美さんは初の眼鏡ピンク女優を目指すと言ったが、松井理子さんがいるぞ。美泉さんは竹洞哲也監督作とは全く違う役柄が面白い。しじみさんの劇中のマフラーは、仮面ライダーを意識。後になって小滝正大さん、櫻井拓也さん、山本宗介さんと男優陣も登壇し、賑やかなイベントとなった。
時間をオーバーし、4時半近くまでイベント。その後サイン会だが、去年の正月以上の長い列。マイミクGEORGEさんの見事な仕切りでもなかなか列が短くならず、6時半近くまでかかる。女優さんたちも付き合ってくれてありがたい。新年早々満員になったことはめでたいし、楽しい1日でした。
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