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2018年12月29日07:32

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トービイのクリスマス

2年前に亡くなったジューンさんから受け継いだ雄猫トービイ。
この猫はジューンさんが2代目の飼い主。
初代は同じ通りに住んでいたジューンさんの友達。
この方が癌で亡くなりジューンさんがトービイを引き取った。
そして3代目が私。
もし自分に何かあったら猫好きのあなたにトービイを託したいのだけど、とジューンさん。
それでトービイは老女から老女へと受け継がれてきた。

小柄なトービイは気の強い猫で他の猫を威嚇する。
偏食で痩せている。

ところがこの秋やたら唾液が溢れるようになり、獣医に見てもらった。
舌の根元に腫瘍ができているという。
血液検査他いろいろな検査をした上で治療が必要だが、全治の保証はないと言われた。

検査や治療でトラウマを経験した上で衰弱、死亡するよりは自然に生きられるだけ生きてもらおうと決断した。
柔らかいパテ風のキャットフード、チキンは薄く小さく刻んで食べさせていたものの、3週間前あたりから自分では食べられなくなってきた。
舌が動かせ無くなったらしい。
そこで流動食に。
作った流動食を注射器で注入する。
下手するとダラダラ溢れ、唾液と流動食の混ざったものがトービイの毛につき、これを拭いても拭いても綺麗には取れず、やがて悪臭が漂う。
本当は湯に入れて洗いたいのだがトービイはそれをさせてくれない。

23日、双子のやって来る日、朝からローストの準備にてんてこ舞いしていたら、ドアベルが鳴った。
そこには二人の美女が「サプラーイズ!」微笑んでいた。
びっくり、本当にサプライズ。
美味しそうなケーキとワインも!

申し訳ないながらもローストの準備を継続する私の後ろで、二人は小さなテーブルで盛んにトービイに同情し、二人してトービイの毛を濡れたタオルで綺麗にする作業を始めた。
トービイの毛は溢れる唾液と流動食でくっつき悪臭を放っている。
猫好きで優しい二人は、気持ち悪がりもしないで何度も器の湯を取り替えながら、それは丁重に優しくなんども拭いてくれた。
最後にはターマリックをおろし、湯に溶いてそれで全身を丁重に何度も拭いてくれて、トービイはすっかり綺麗になって猫らしさを取り戻した。
手足も洗ってもらった模様。
料理の準備を中止し、美味しいケーキとワインでおしゃべりを楽しむ。

あれ以来トービイはターマリックが効いたのか、元気を取り戻し、食欲も増し戯れるほどになった。
あの日は私たちのクリスマスだけでなく、トービイのクリスマスでもあったんだな。
すっかり綺麗にしてもらって、元気になって。
美女に至れり尽くせりしてもらって、よかったねえ、トービイ、最高のクリスマスだったね。



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