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2018年12月25日21:37

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映画美学校映画祭

 渋谷の映画美学校で映画美学校映画祭を観る。仕事の後行ったので2本のみ。猪野浩晶監督「アリエッタ」。人妻の浮気から、殺人の連鎖が起きるサイコ物。浜野佐知監督15年作品「性の逃避行 夜につがう人妻」で夫婦役だった竹内ゆきのさんとなかみつせいじさんがここでも夫婦役。なかみつさんの役柄が大学教授なのも同じ。
 さらに津田篤さんや世志男さんが出演し、小川満さんが照明、小林徹哉さんが録音、監督助手が加藤義一監督、主題歌が結城リナさんとピンク映画のスタッフ、キャストの注目作。
 ところが登場人物たちの心情が伝わってこない。ヒロインの妻は、姉の死を見たことがトラウマになっているらしいが、それが自転車屋の青年と浮気に走ることと関係があるのか不明。
 青年が死ぬと、その飼い猫を引き取る。そして猫を青年と同一視するのもわからず。怒りを爆発させる夫に共感してしまう。殺人のきっかけを作ってしまう青年の奔放な叔母を、吉行由実さんが演じているのにもかかわらず、印象に残らない。カラミ場面が多いので、役者の残像もあってピンク映画を、しかも出来の悪い作品を観ているよう。
 上映後猪野監督となかみつさんのトークショーがある。このやり取りが、監督と俳優でなく、アマとプロのように見える。聞くところでは、監督が集めたスタッフが逃げてしまい、なかみつさんがピンクのスタッフを招集。プロばかりの中に入って監督が孤立してしまったようだ。主演女優との確執もマイナス。
 猪野監督の成人映画志向は面白いし、次回は自らのスタッフで撮ってほしい。
 「釈迦娘」は四方希夫監督作品。主題歌がドイツ民謡の「蝶々」のメロディに「寿限無」を乗せたものなのが人を食っている。舞台は地獄だが、家の一室。エンマ大王が机に座ってパソコンを叩く。その部下で鬼が1人。これはいまおかしんじ監督「おじさん天国」を思わせる。
 地獄には責め苦があるわけでなく、生前の悪事を反省する場所。そして釈迦の娘が住んでいる。この存在は釈迦の教団により秘密にされている。地獄にやって来た騎士アウレリウスと、その友人の中国娘メイレンが、釈迦娘の友人となり、囲碁を教えたり、茶会を開いたりする。この世界観が面白い。
 全体のゆったりしたやり取り、それに監督は映画や文学の造詣が深いらしく、様々な引用がある。曾根崎心中の浄瑠璃を入れた場面は驚き、アドリブを長回しで撮った場面は笑えた。
 余計なカットもあり、108分は長すぎの感がある。しかしこの楽しい雰囲気は悪くない。他の作品も観たかった。
 
 

 

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