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2018年12月16日08:08

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【展覧会】ムンク展(東京都美術館)

2007年に西洋美術館で開催されたムンク展の印象が心に強く残っている。それを超える展覧会にはならないだろうという予感があり、展覧会よりもむしろグッズを目当てに、夜間開館を狙って美術館に到着。夜なので、「叫び」来日!のわりには空いているが、「叫び」来日!なだけに、夜間開館にしてはかなりの混雑。まともに鑑賞する気にはならず、人垣の後ろから単眼鏡で絵を覗きながら、会場を回った。

今回の展覧会の目玉は、オスロのムンク美術館が所蔵する「叫び」。初来日だが、初めて見る気はしない。「叫び」はあまりにも有名すぎて、パロディを含め、あちこちで目にしているから、いまさら感動はしない。本物を前にして、「あ〜、これか」と思うだけ。
間近で眺めたら作品の息づかいを感じることができるかもしれないのだが、そこは日本の美術館の企画展。超有名絵画が来たときはいつも、「近くでご覧になりたい方は立ち止まらずに、前の方に続いてお進みください。ゆっくりご覧になりたい方は列の後ろからどうぞ」という鑑賞方法なので、絵を間近でじっくりと眺めることは不可能だ。

作品を近くで鑑賞できず、ムンクの深い精神性のようなものを感じることが難しい展覧会ではあったが、新たな側面を知ることはできた。
ムンクは何人かの女性と恋愛をしつつも、生涯独身を貫いたとのこと。「画家として十分な才能を発揮するためには孤独でなければならない」と考えていたらしい。
・・・カッコいいこと言ってるけど、単に女が怖いだけでしょ。
でも、それも仕方がないことかもしれない。
幼いころに母と姉を立て続けに失ったムンクは肉親の女性から受けられるはずだった愛情や慈しみを受けることができず、それらを渇望しつつも受け取り方が分からなかったはず。また、親密な関係になる女性は必ず失われてしまうという恐れもあったのではないだろうか。
女性からの愛を望みつつ恐れてしまうからこそ、不安や悲壮感に満ちた作品が生まれたともいえるだろう。
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