mixiユーザー(id:7163177)

2018年12月12日19:37

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セラピストを失った

最近泣く回数が確実に減った。
何か集中するものをと思い夫婦でスマホにした。
といっても私はタブレットを使っていたし妻もデータシムを使ったスマホを使っていたからゼロからの出発ではない。
ガラケーも同時に使用していて電話だけは、そちらに頼っていた。
それをすべてスマホに切り替えたのだ。
なるほど覚えなくてはいけないことが多くあり頭の中が、そちらに向く。
それに少し慣れたので、今度はスマートブレスレットという腕時計のような装置を購入して使い方を勉強している。
朝起きだして「おはよう」の挨拶から始まる。
静まり返った部屋でも「居るような気がする」という気配に向かって関係を持つ。
何かと繋がりを作ってきた我々には止められない行動であり、それを忘れるまで続けていく。
それが私たちの平常を保つ方法なのだ。
ゴミを出す日「ばかに軽いな」と感じる。
マロ君のトイレの砂が入っていないからだ。
マロ君のトイレをどけた後は、そこに丸椅子を置くことになった。
椅子が片付いた。
爪とぎが無くなったから少し歩きやすくなった。
掃除機をかけると猫の毛が無くなった。
「黒い洋服が着れるね」
マロ君が居なくなって良くなったことなんて所詮これほどのことに過ぎない。
マロ君の死はセラピストの死だった
20年来の同居のセラピストを失った時だと気がついた。
笑顔をくれるわけではないが、こちらが笑顔になる。
優しい言葉もくれないが、こちらが勝手に暖かくなる。
寝ていてもいい、歩くだけでいい、膝に来てくれたら最高。
妻は「あー、抱っこしたい」と言って泣く。
私は彼の体を思い切り嗅ぎたい。
その匂いを肺の中いっぱいに満ちさせたい。
匂いを思い起こして人は泣く。
柔らかい毛と皮膚の感覚を思い出して泣く。
脳は分かったようなことを自分に説くが、それと別の体の組織全体が欲する。
苦しみ、耐える。
今また涙が湧き上がってきた。
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