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2018年11月16日20:55

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銀 河

昔子供のころ、虫の足取りを追ったことがある

アリの行列が下水の溝に繋がっていて

そこには何があるのだろうかという単純な疑問だった



今でも虫の足取りをよく見守ることがある

やはりアリや地を這う虫には踏まないよう気を付けるし

死にかけた虫は出来るだけ助けたりもする

無論生き方や世界が違いすぎるので

それが最良の方法とは思えないが


歩いている甲虫の足の動きは美しいと思う

その足の運びに銀河があるのではないかというくらい

人の呼吸の吐息に銀河があるという人もいるだろうから

そのくらいは思っても差し支えないだろう


世界は断裂されているだろうか

わたしは小川で採ったフナと

店で買ったドジョウを水槽に飼っていた

どちらも生命の繁殖は期待できないのだろうが

どちらも精神が温厚なように見えて穏やかに過ごしている

我が家の庭の小鳥もまるで心があるように見える

体温は暖かく掌にのせると血の通った体温がわたしの手に感じられる


銀河はそこら中にあり

優劣はそんなにはない

わたしは一年を生き抜いた虫の一生を見るたびにそこに銀河がある気がする

多分私たちの人生とそれほど大差はない


十一月

月の輝きをみるにそこにも銀河がある

明日

わたしが生きるのにもそこに銀河がある

蟻が行列を作るのにも

雲が山々の上で風に流れているのも

海に漂うクラゲも

六本足で歩く甲虫が歩く足取りにも

雲が糸を吐いて移動するのにも







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