2018年8月13日(劇場鑑賞)
事前に観た予告編から、女性の性差別を廃止し、抑圧されていた女性の権利を拡張しようとする運動(男女の賞金格差の是正)の映画かと思いきや、とても濃厚でむせ返るような女×女の絡みと女性のことを馬鹿にする道化を演じる反面、本当は母性に魅かれている男の良い話でした。
しかし、期待していたのはそういうのではなく、女性版ロッキーというか強大な敵に立ち向かう女性の姿を観たかったです。
物語は、1973年に女性テニス選手ビリー・ジーン・キング(演:エマ・ストーン)と当時55歳になっていた往年の男性テニス選手ボビー・リッグス(演:スティーヴ・カレル)の間で行われた「性別間の戦い(バトル・オブ・ザ・セクシーズ)」という「男女対抗試合」が描かれる。
良いところ。
エマ・ストーン(29歳)とアンドレア・ライズボロー(36歳)の視線を交わすエロいシーンはねっとりとアップで撮っていてジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督は夫婦だが、女優の撮り方は良いと思った。
※驚いたのは、劇中E・ストーンの方が年上に見えたところ。
ラストのロッカールーム、E・ストーンは独りで泣き、スティーヴ・カレルは(その後復縁する)元奥さんが慰めに来るシーンを見せることで、この映画において彼女は、テニス選手としては勝者だが一人の女性(男性)としては敗者だということを示すように映っていた。
そのことは、ゲイと思われるスタイリストの男性が本当の最後に彼女を抱きしめて、「いつか世界は全てを受け入れてくれるわ。」と言わせることでまだ世界がレズビアンを受け入れてくれないことを暗示している。
旦那に浮気(女と楽しんでいること)がばれるシーンが秀逸で、(誰でも身に覚えがあると思うけど)ばれないように証拠を必死に隠したつもりが意外と目立つ場所に決定的なブツが置いてあるという状況(この場合は洗面台にブラジャー)、そしてそれを観られたことを知りつつ知らないふりをする気まずい会話シーンに胸が痛みました。
期待外れだったところ。
歴史的事実として主人公(ビリー・ジーン・キング)が、レズビアンだったというのは脇に置いといて、この映画劇中では男女対抗試合および賞金格差是正を物語の中心にすべきだったと感じました。
つまり言いたいのは、良いところで挙げた女同士のイチャイチャとか、ロッカールームでの独り泣きとかカットして、もっと女子テニスに対して男子テニスがいかに優遇されているかを強調し、なぜ主人公が女性を代表して男女対抗戦という見世物の舞台に立ったのかを掘り下げた方が、女性の権利獲得に貢献したという歴史的事実をより強調する作りになり物語も分かりやすくなったと思います。
最後に、この映画は性差を乗り越える話と性の多様性を受け入れる話をごちゃ混ぜにしたことで、味が分からなくなったのではないかと自分自身に対し総括して終わりたいと思います。
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