2018年6月14日(ネット鑑賞)
不思議な映画で、こんな滅茶苦茶な脚本がなぜ映画として成立するのか初見では分からなかった。
でも、成海璃子ちゃんの魅力全開だったので、優しい気持ちで観られた。
物語は、天才ピアニスト少女うた(成海璃子)と浪人音大生和音(松山ケンイチ)の交流を描いている。
まず最初にこの映画劇中で起こったことを時系列で列挙すると以下の通り。
1.ボートに乗り寝そべっていた松山ケンイチと成海璃子ちゃんが出会う。
2.松山実家(八百屋)の二階で璃子ちゃんが演奏する。
3.璃子ちゃん松山家に入り浸る、璃子ちゃんの母激怒。
4.松山、璃子ちゃんの特訓(昼は松山家、夜は璃子ちゃんの実家)の成果により音大受かる。
5.璃子ちゃん実家を引き払うため、亡き父のピアノ売られる。
6.松山燃え尽きた症候群により音大で腐る。
7.璃子ちゃん耳の異常を意識、父と同じ道を歩むのかと不安になる。
8.璃子ちゃん音楽に向き合う→世界的に有名なピアニスト(リヒテンシュタイン)に認められる。
9.璃子ちゃん(リヒテンシュタインの)代理演奏で大成功。
10.璃子ちゃん燃え尽きて失踪、松山とピアノの墓場で亡き父のピアノを二人で演奏する。
○うたの難聴描写が分かりにくかった。
1の出会いのシーンで、すでにうたが難病だということを突然倒れることで表現し、3〜7でも蝉の声が聞こえると台詞で耳が悪くなっていることを言っているが、観客は医者ではないので不親切だと感じた。
特に10で車道に飛び出しそうになったり、中学の同級生が手に文字を書いてうたに見せるとか普通なら分かりやすい難聴表現も、うたの性格や行動(激高しやすく、学校で孤立し誰とも仲良く話していない)から逆に分かりにくかった。
ただ、この映画「神童」は難病モノでないことから、この程度の距離感で良かったのかもしれないと感じるのも事実なので、そこは評価が難しい。
○璃子ちゃん中学生で松山浪人生に見えなかった。
プロデューサーの根岸氏曰く「普通の13歳(当時)に見えない成海さんは、神童のイメージにピッタリ」と語っているが、私の印象だと松山ケンイチは現役高校生、璃子ちゃんも高校生に見えてしまったため、1〜3で松山家に入り浸る大胆な女の子という誤った印象を持っていた。
実際は、浪人生の家に中学一年生がピアノを教えに来ていたので、男女関係に発展する可能性はほぼゼロだった。
○神童
ウィキ情報だと、「特定分野において驚異的な能力を発揮する人物、特に少年時代に並外れて優秀であった者に対しての尊称である。」とありますが、うたのピアノ演奏の吹き替えは当時12歳であった和久井冬麦が担当したそうなので、この映画実際に神童が神童役を演じていたことになります。
しかし、劇中の神童の表現として練習をサボるけどピアノを弾くと周囲が褒め称えるということだけではなく、例えば賞金のあるコンクールで優勝するとか、プロのオーケストラからお誘いがある等の音楽素人にも分かりやすい目に見える神童描写が必要だったのではないかと感じました。
この映画、「帯に短し、襷に長し」と言えますが、悪いところばかりではないので、良い部分を忖度して観るのがお勧めです。
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