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2018年06月21日23:10

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映画「ズートピア」☆☆☆

2018年6月15日(地上波)

CGアニメーションにおける毛並表現の素晴らしさと、ディズニーが差別という現実世界の重たいテーマを取り上げるという二点において、この映画は傑作と呼ぶに相応しいと感じました。

物語は、肉食動物と草食動物が共存する架空の都市(世界)、「ズートピア」を舞台に新人警察官ウサギちゃんことジュディ・ホップスの48時間+αの活躍を描く。

この映画の凄さは様々な切り口がありますが、以下の三点は特に秀逸だと感じました。
1)世界観
架空の世界ズートピアにおける各動物達の生活が冒頭数分でスパッと描かれているところは、驚異の語り口だと驚きました。
電車の出入り口が動物の種類ごと用意されていたり、カバが水から上がると空気で乾かす設備があったり、キリンが飲み物を買うとキリン用の受取口があったりと、動物毎の身体的特徴を活かした設定が作りこまれています。

2)話し運びのうまさ
冒頭主人公子供時代の演劇で始まり、クライマックスに演劇で犯人から自白を引き出すところや、ニンジン型ペン付録音機という小道具を効果的に活用し様々な場面で録音により物語を進めるところ、子供時代にキツネは悪い奴というのを画的に見せておいて物語終盤の挫折した主人公がもう一度立ち上がるきっかけに、そのキツネをもってくるところとか本当に練りに練られた恐ろしい完成度の脚本だと感動しました。

3)差別の描き方
 まず、ディズニー映画自体が意図的に価値観の押し付けを行ってきたという前提があります。※シンデレラストーリーやキツネは狡賢い悪役等
そんなディズニーによるウサギとキツネのバディーモノを作るという皮肉の利いた設定に、観賞前は若干偏見がありましたが逆に我々の偏見を逆手に取った作りに感心しました。
また、主人公による肉食動物の生物学的な特徴をストレートに語るシーンは、動物毎の身体的特徴を強調する世界観も相まってとても納得させられました。
そして、その結果として草食動物と肉食動物の対立を煽ることになるという流れも見事という他ありません。
キツネのニックが主人公のことを「ウサギ」とか「ニンジン」と呼ぶのも、最初は馬鹿にしているのですが、徐々に尊敬の念がこめられ、主人公がピンチになった時に名前を呼ぶという演出もとても良かったです。

差別を寓話で語っていますが、これ人間に置き換えるととても映画化できないと思いました。例えるなら映画「48時間」でニック・ノルティ(白人)が、事件解決後にエディ・マーフィ(黒人)に、「黒人は黒いからギャンズ(白人)が目立って撃ち易かった。」と言うようなものです。※犯人であるギャンズの人質となったE・マーフィをギャンズだけ撃ち殺すのがクライマックス。

最後に些細な生物学的なツッコミとして、ズートピアの政治形態がもし直接民主制だとすると、ウサギは交尾により排卵するためとても子沢山(主人公も275人兄弟)なことから民主的にズートピアにおける恒久的独裁政権樹立が可能ではなかろうかと考えます。

本当にお勧めです。

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