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2018年06月20日23:07

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引き戻されて 3

まあ、そんなどうしようもない娘っ子だった二十歳のあの頃を思い返しながら日記レッドリバーロックを読み返すうちに、あれ、もしかしたらということに思い当たった。

日記は東京での下宿生活時代、隣の部屋に入ってきた母息子3人の家族との交流、やがて絶交されるまでのことを書いた。
なんでも元々裕福な家族だったのが、知人の証人になったばかりに家も財産も失ってしまった、という家族だった。
兄は大学生、弟は高校生だったが二人ともアルバイトしながらの学生生活だった。
二人とも母親に対しては非常に礼儀正しく、まさに「はいはい」と従い母親をお母様と呼んでいた。
本当に良い家庭だったんだなあと思わせた。

私たちは大変仲良く和気藹々とし交際していたのだが、ある日銭湯で隣のお母さんが入ってこられた。
いつもなら挨拶を交わしおしゃべりもするのに、その夜に限ってなぜか私はお母さんを無視してしまい、そのまま銭湯を出てしまった。
それがきっかけで絶交されてしまう。
なぜあんな行動をしてしまったのか、今でもわからない。
3人とも私に口を聞いてくれなくなった。
完全な無視。
何度か日記を読んでいるうちに絶交されたのちに、兄の方に好意を抱いていたことに気が付いたことを思い出した。
しかし口もきいてもらえなくなっているのでどうしょうもない。
やがて彼らは引っ越してしまった。

で気が付いたのはもしあの時の私の不始末がなかったら、、、ということ。
兄の方も私に好意を抱いていたみたいなので、二人の間に恋が発展するのは目に見える。
そしたらどうなる?
お母さんも事あるごとに私を褒めてくださっていて、長男の嫁には貴女のような女性がいいわとまでおしゃっていた。
私は私で流されやすい性格。
当然結婚に発展するだろう、あの不始末がなかったら。
すると私は学びたいことも学べず良妻賢母として一生過ごすことになったかもしれない。
それとも不満が高じて子供をおいて家を飛び出しただろうか、私の生みの母のように。
どっちにしても危なかった、危機一髪。

いやもう、神に守られていたんだなあと。
結婚はしたくない、と反抗していた私をここで結婚から守ってもらえた、とそんな風に見えた。
結婚するよりもまだまだ学びたいことや疑問がいっぱいあった。
いやその後間も無く結婚してしまうのだが、それは後悔無い。
仕事嫌いの不満の多い亭主ではあったけれど、それでも彼から学ぶことは多かった。
最終的に別居してしまい彼はスイスで交通事故死。
その後は母子家庭として、美容専門通訳で娘二人と何匹もの猫を養ってきた。
仕事はあったりなかったりで、無い方が多かったので子育てには理想的。
つまりあれだけ嫌がっていたお勤めはしなくてすんだ。

考えてみるとあの当時、私は生意気にも先のことがわかっていたら面白く無いとも思っていた。
先のことがわからないから人生面白いのだと。
これは多分周りの大人たちが人生の(主に経済的な)保証ばかりをを求める傾向があったからだろうと思う。

結果的に願っていた通りの人生を歩めていたことになる。
ひどい貧乏生活が続いたけれど、これも経済的な補償は求めていなかったし、裕福になりたいとも願わなかったので、不満はない。

あのわけのわからない不始末がなかったら、あの時兄と結婚して心無い人生を歩んだかもしれない。

いやね、神様って意外と願いは叶えてくださるんだなと感謝した次第。
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