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2018年06月11日15:10

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農業・封建社会・水戦争

  今の僕はSNSで様々な人々と付き合っている。無論、考え方も千差万別である。僕は思ってもいなかった事を述べ、考えさせられる事もある。その一人に、資本主義に疑問を持ち、農本主義にしないと世界はだめではないかと述べていた人がいる。僕はずっと東京で育った関係で農業の事はよく知らなかったので、その歴史を振り返り、考えてみた。大きな問題が複数見えたので、公表したい。


  農業が生まれたのはメソポタミアである。かなり古い。そのくらいは僕も知っている。確かに、農業は人々に食べ物の安定供給と栄養のバランスをもたらした。その点は非常に評価できる。とは言え、どのような作物でも、農耕労働者がバラバラに働いていたら、生産にならないため、次第に号令役の人が現れたようである。どの地帯でも。号令役の人たちも様々。中には、労働者を思いやった人もいるだろうが、ずる賢い号令役も現れて、次第に収穫物も自分のものにしていき、階級が生まれ、そこに大家族制度とも結び付き、封建社会に移行していった。農耕労働者の階級も複雑化していき、身分差別になり、強固な封建制度になっていったようである。時は経て、特にヨーロッパで工業が発展し、資本主義社会に移行していき、報酬がより多い工業関係に労働者が流れ、農業社会は衰退し、封建制度は崩れていった。その時にたまたま現れたのがマルクスである。マルクスは、資本家階級が封建制度を駆逐したと述べ、資本主義を一定評価している。少なくとも、僕が「資本論」を読んだ限りでは、反資本主義的な発想は見られない。その上で、将来は資本家たちの搾取に労働者が立ち上がり、社会主義革命を起こすと予測したわけである。ところが、マルクスは農業の事は述べていないから、それを手本としたソ連が農業政策が後手に回り、慢性的に飢える事にもなったわけである。


   日本では、戦前は農村はまだ封建的な地主制が残っており、農業国だった。戦後は地主制はなくなり、民主的な農村が模索されたが、政府の農業支援金にもかかわらず、かなりの農業労働者は都会に出て、工業・資本主義に取り込まれていった。1973年の石油危機の後は少しの期間、「資本主義を後退させて、農業国に戻ろう」と一部の知識人が唱えたが、歴史の流れは戻るわけもなく、そのまま忘れ去られた。

  ところで、諸々の障碍者は農業社会ではどうだっただろうか。まず、身体障碍者はかなり軽度でも、農作業はムリである。盲人も同じ。聴障者は号令が聞こえないから、これもムリ。知的障碍者も号令が理解できない以上、ムリである。せいぜいカカシ役。日本のカカシは一本足がその象徴である。ひどい状態に置かれていたと。

  以上だが、実は世界の歴史の半分しか語っていない。「農業」は雨がたくさん降る所でないと成立しないものである。麦、米、野菜、果物、牧草と育つには水が欠かせないが、農地に水を撒けばどううなるだろうか。ほとんどが蒸発。育成に必要な水の1万倍くらいは必要ではないかと。百万倍かもしれない。そのような数値は何故か本に書かれていないようだが、これが現実てある。まともに農業ができる地帯は日本、中国南部、東南アジア、地中海沿岸くらいに限られているわけである。その他の国々では、昔から水戦争が起きてきた。今も中東や、アフガニスタン内部では水利権紛争が多発している。(差別でヨーロッパではユダヤ人は農業ができなかったため、イスラエルでは農家の職業希望が多い。又、それに食糧自給という国策。イスラエルで集団農場拡大しているのもその二つの理由だと、池上彰氏は報告している。僕も知らなかったが)。

  今までの農業は水効率が悪いから、今後は日本みたいに水の多い国でも限界なのではないか。でも、近年になり、日本で生まれた、LEDを使った農業工場ならば、水効率は百%に近いから、牧草含む、全作物も今までとは違い、けた違いに少ない水で賄える。本当に、今までは野菜や果物ができなかったモンゴルでは農業工場で、トマトでも、レタスでも食べられるようになっているという。ロシアにも広がりつつある。それがアフガニスタンやイスラエル・パレスチナにも広がれば、戦争は根絶できないにしろ、かなり社会状態も良くなるわけである。希望だね。

   書き始めた実録小説ではないが、物事にはかならず「光と陰」がある。だから、歴史を冷徹に見ないといけない。農業関係も、身分差別や障碍者差別という「陰」の面もあったわけである。

  以上の文も僕一人で書いたわけではない。農業関係を話してきた一友人と一緒に書いたわけである。それから、「これからは水利戦争が起きる」と語った別の友人もいた。確かに、今までの農業を続けると、その人の言う通りになる。それも参考にしたわけである。二人には感謝を申し上げると。(農業を全て工場方式に変えれば、世界の水事情は大幅に変わるわけである。)

  

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