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2018年05月14日04:01

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歳月の重さ

仏教の言葉に金輪際(こんりんざい)があります。

「底の底」という意味です。


仏教の宇宙観は、

大きなたらいのような三層の輪が重なっていて、


その上に尖った山がある。

これが僕達が住む大地のイメージとなっています。

下から風輪、水輪、金輪の三輪があり、金輪の上に人間世界の大地が位置しているといいます。

この大地と金輪の接するところが『金輪際』です。


ここは人間世界のもっとも深い底にあたるところになります。


悪いことは金輪際しませんの意味には

「地の底までも命にかけて」
というニュアンスも含まれていることになるので軽々しく口にはできない言葉です。




『お茶を濁(にご)す』とは

いいかげんにその場をごまかしたり一時しのぎに取り繕うという意味です。

昔、お茶は大変貴重なものとして珍重されていました。

一般に普及したのは室町時代以降で、それまでは貴族や僧侶だけの飲物とされていたそうです。

そこで、お茶を出せばその場を丸めこめたことから、急場をしのぐことを

「お茶を濁す」というようになったという説と、


作法の厳しい茶道で、

心得のない人がいいかげんなやり方でお茶をたてその場を取り繕ったことから由来しているという説があります。


今では困った時、訳の分からない事を言って

それが、興味をひく話しになって皆の気を引きその場を取り繕ったりする。

それを

『話を濁す』ということになるのでしょう。


漢詩に

『年年歳歳花相似たり

(ねんねんさいさいはなあいにたり)

歳歳年年人同じからず』

思えば寒い冬が終わって春になると、昔と同じように花は美しく咲くけれど、一緒にこの花を見た人はもはやこの世にはいない。


しんみりとする風情を感じます。

近い人を亡くした時、ふと思い出す詩です。

書のお手本によく使っています。

歳は取るものではなく、

重ねるものです。


歳月の積み重ねが人を作るといいます。

自分が病んだり、老いたりということを過度に恐れることはないし、

人生は素晴らしいものだなあと


思う生き方をしたいものです。

人は幾つになっても

成長するものですから。




合掌


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