2018年2月16日(劇場鑑賞)
ハードな尋問(拷問)描写が売りの実録モノと聞き、期待して観に行ったところ、とても普通の映画で失望しました。
物語は、1967年のデトロイト暴動の最中、実際に起きた「アルジェ・モーテル事件」を丁寧に再現したドキュメント映画です。
この事件に関わった人々は、デトロイト市警、ミシガン州警察、ミシガン州兵と民間の警備員で、市警の連中がもっとも好戦的に尋問し、州兵は手を貸す程度、州警察は最初からドン引きでそうそうに離脱、ジョン・ボイエガ演じる警備員は容疑者に対して同情的で市警をなだめようとするけど、結果的に積極的に関与したと罪を着せられてしまう始末。
救いの欠片も無い、「あの頃のアメリカは現在(いま)とほとんど変わっていないね。」というメッセージを143分という長尺で観ることの歴史的意味は置いといて、この映画をアカデミー賞有力候補とする風潮は逆に差別的に見えて嫌いです。
人種問題に対する意識の低い日本人から見ても、黒人を普通に見下している白人連中に最初から逆感情移入、どっから突っ込んで良いのか分からない状態でクライマックスまで白人が黒人を不当に扱う映像を観ることができました。
以下、黒人の扱い一覧。
強盗を働いた黒人を後ろから撃つ。(黒人は脚が速いから仕方がない発言にさらにイラついた)
窓から通りを覗いた黒人少女を狙撃手だと州兵が銃撃。(多分死んだと思われる)
コーヒーを差し入れした黒人に対して、「(召使ではないのに)砂糖は無いのか?」「(人種がいっしょというだけで)ニガーはいつ暴動をやめるのか。」など自然な差別発言を繰り返す。
テレビのニュースで、「ニグロ」等差別用語連発。
イケメンの黒人とイチャツイテタ白人娘2人に、「貴様ら売春婦か!」と八つ当たり。
※確かに尋問する白人より黒人の方がイケメン揃い。
黒人に「自分を守れ。」とナイフを持つことを強要する。→持ったら正当防衛で殺す予定。
あのモーテルで一番理性的に対応していた黒人警備員に対するひどい仕打ち。
個人的には、白人警官も彼らなりの(歪んだ)正義感で対応している方が良かった。
結果的に白人はモーテルで3人殺すことになるのですが、1人は出会い頭にビビッて逃げたところを後ろから射殺、2人目は(殺した振りをして脅すはずが)意図を誤解した同僚が本当に殺してしまう、3人目は観たことを黙っているように強迫するも同意しなかったため殺人。
という訳で、黒人を虫けらのように殺して「害虫駆除だ!」とか言い放つクソ野郎ではなく、ただ単に警察官として優秀でない人が、尋問もうまくできず結果的にその尻拭いとして殺人を犯すというしょぼい内容でした。
白人警官役のウィル・ポールターが演じるのが辛すぎて泣き出したらしいけど、映画「フレンチ・コネクション」のポパイを見習い演じきって欲しかったです。
彼は良く演じていただけに、その辺りの狂気を身に着けるとさらによくなったのではないかと感じました。
誰にも勧めませんけど、ドキュメントなのでその時代の空気を体感するという意味ではお勧めです。
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