決して「面白い作品」ではない、ただし美しさには心を惹かれる作品ではある。
昔、劇場公開前にBSで特集やっていて、山本千尋可愛いなって程度の印象でしたが、完成版(劇場公開版)の破壊力はけた違いでした。
物語は、時代劇というジャンルの衰退と一人の役者の役者人生を重ねながら日本映画界に一時代を築いた東映太秦の撮影所を描く作品です。
時代劇を知らない人、良く知る人の両方に誠実な作りで、104分という尺もこの物語にはちょうど良い長さでした。
衰退するジャンルを象徴する年老いた役者には仕事が与えられず首同前で放逐する反面、時代劇に魅せられた若手女優が、時代劇によりチャンスを掴み大活躍するという中盤までの展開がとてもうまくて、ラストの時代劇をもう一度制作するために昔時代劇役者を志すも挫折した面々が還ってくる場面はとても揚がりました。
何よりこの映画、現実とダブっていてウィキで出演者を調べると、みんな昔時代劇に関わっていると解り、観終わって調べてまたココロ揺さぶられるという一粒で二度おいしい映画でした。
なお、山本千尋は当時女優としては新人だが、世界武術選手権(ジュニア)で金メダルを獲得するなど武術の素養は折り紙付で、まさにこの映画にでるために発掘されたと言っても過言でない良い配役だったと考える。
10年前なら確実にこの手の映画は敬遠していたと思うので、時の移ろいを感じることができるという意味で良い映画でした。
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