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2018年01月08日10:29

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【バレエ】ニューイヤー・バレエ(新国立劇場)

バレエに少し慣れ、抽象的な作品を見てみたいと思うようになった。今回の舞台は音楽と踊りだけの作品を4つまとめて鑑賞できる。作品自体はシンプルだが、劇場開場20周年、新年最初ということもあり、新国立劇場バレエ団のダンサーが一堂に会する豪華な舞台でもある。
演奏は4作品とも東京フィル、指揮はポール・マーフィー。

<パ・ド・カトル>
プリンシパル、ソリストクラスの女性ダンサー4人が群舞的に踊る箇所はレア感あり。レベルが高いダンサーだけあって、トゥシューズがカタカタ鳴る音がほとんど聞こえない。シャンデリアが釣り下がるだけのシンプルな舞台装置に、薄いピンク色の照明、ふわっとした衣装が女性らしい。抑制された中に駆け引きが垣間見える作品。
振付:アントン・ドーリン
出演:本島美和、寺田亜沙子、細田千晶、木村優里

<グラン・パ・クラシック>
男性ダンサーが入ると途端にキレとダイナミックさが加わる。これぞクラシックバレエ!的な衣装と殺風景な舞台とのギャップがなかなかシュール。装置が何もないステージゆえにプリンシパルの踊りに観客の視線が集中するので、踊るほうには一切妥協が許されない感じがする。
振付:ヴィクトル・グゾフスキー
出演:小野絢子、福岡雄大

<チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ>
チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖」から長い間使用されずにいた楽譜が発見されたことが作品誕生のきっかけになったとのこと。音楽はバリバリにロマン派だが、柔らかく軽やかな衣装と踊りがモダン。米沢 唯が宙に浮いているかのように見えるのが非常に印象深い。
振付:ジョージ・バランシン
出演:米沢 唯、奥村康祐

<シンフォニー・イン・C>
ビゼー作曲の「交響曲第1番 ハ長調(in C)」にバランシンが振りつけた、筋のない1幕バレエ。各楽章ともプリンシパル1組、ソリスト2組、群舞という規則的な構成だが、清楚な第1楽章、ゆったりした第2楽章、爽やかな第3楽章、軽快な第4楽章と、曲の雰囲気によって踊りの雰囲気が異なるのが面白い。第2楽章は曲調がゆっくりしている分、ポーズを長く維持しなければならず、速く踊るより難しい部分があるだろう。個人的には第3楽章に登場した渡邊峻郁が、跳躍も高く、にこやかで華やかで、素晴らしいと思った。
本作品出演者全員が躍るフィナーレは圧巻。プリンシパル4組が並ぶ舞台はなかなか体験できないだろう。
振付:ジョージ・バランシン
出演:米沢 唯・福岡雄大(第1楽章)、小野絢子・菅野英男(第2楽章)、池田理沙子・渡邊峻郁(第3楽章)、木村優里・井澤 駿(第4楽章)
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