危険承知でやっている/見ているのだから自己責任とか、
公道じゃないから問題ない、と言っている人は、
モータースポーツをやめた方がいい。
私有地ならなにやってもOKと思っている見ているだけの人も、
見られる側からすればクラッシュを期待されているようで、
とても不愉快だから見てほしくない。
危険を伴うスポーツをする者は、
たしかにスリルを味わっている部分があることは否定しないが、
不幸になりたいとか、他人を巻き添えにしたいと、
願っているわけではない。
今回の事故で言えるのは、
コースの境界をプランターで仕切っただけという、
主催者の安全対策についての認識の甘さと、
見学者も、車がコントロールを失った時、
どのような挙動をとるのかを考えながら見学場所を選ぶべき、
ということだろう。
ドリフトを頭ごなしに否定している人も、勘違いしている。
私はむしろ、ドリフトを含めたタイヤがグリップを失う状況と、
その場合の対処方法を教習所で教えるべきだと思っている。
冬の早朝、冷えたタイヤで飛ばす人や、
雪道や濡れた路面でスピードを出す人は、
まだ怖い思いをしたことがないのだろう。
車やタイヤの性能が向上しているから、
滑り出すまでの限界値は高くなっているので、
今の車はそう簡単にグリップを失わないが、
スリップが唐突にやってくることに変わりはなく、
限界値が高い=スピードが出ているので、
事故った時のダメージも大きい。
モータースポーツを学ぶと最初に教わるのが、
はがきサイズの接地面と、その摩擦力の話だ。
車がまっすぐ走る時は、摩擦力のすべてを、
前進させることに使える。
しかし旋回する時は横方向の力が加わるから、
車を前に進めようとする力と、
横に押しやる力に抗う力の両方に摩擦力は使われ、
前進力と横方向の抗力の合計が摩擦力を超えた時、
タイヤは滑り出す。
しかも摩擦力は、タイヤの種類や状態、車重、
路面の状況、荷重のかかり具合によって変動するから、
タイヤが滑り始めるタイミングや車の挙動、
滑り出した後のコントロール方法を、
カートや運転教室であらかじめ学ぶことは、
アクティブ・セイフティとして事故の防止に結びつくし、
それを愉しみながら学ぶのがドリフト走行と言える。
(もちろん、公道で練習してはいけない)
フェイル・セイフやフール・プルーフの考えは、
どの分野にも必要なことで、
責任の所在とは別の問題だということを、
脊髄反射でレスを付けている人は、
もう一度冷静に考えてみてほしい。
■ドリフト事故「想定できず」 観覧エリア区切りは花壇
(朝日新聞デジタル - 11月12日 20:58)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4856260
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