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2017年11月12日22:31

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【展覧会】パリ・グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展(三菱一号館美術館)

第2水曜はアフター5女子割の日で、17時以降に入館する女性は1000円で鑑賞できる。というわけで館内は女性客ばかりだった。しかも、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックを中心とした19世紀末のパリのアートは人気があるから、館内は予想以上に混雑していた。
展示点数は約150点。非常に見応えがある。だが、この時代のこのジャンルの展覧会は珍しいものではないので、初めて見る作品も既視感に押されてしまう。また、夜間開館で21時まで開いているとはいえ、翌日も翌々日も仕事があることを考えると、のんびりする気にはならない。結局、駆け足鑑賞になってしまった。

キャバレー、カフェ、歌手、女優、ダンサーなどを題材にした享楽的な商業用ポスターからは活気や疾走感、猥雑さなどが感じられる。パリの街角の写真パネルにポスターを展示するコーナーも設けられていて、何となく自分が当時のパリにいるような気分になったりもする。最初の展示室ではエリック・サティのピアノ曲が、最後の展示室ではクロード・ドビュッシーのオーケストラ曲が流れていた。イヴェット・ギルベールやアリスティド・ブリュアンのポスターが並ぶ部屋では彼らの歌声を聴くこともできた。
そこでふと気が付いた。私の中のパリのイメージはロートレックのポスターそのものだ。旅行でパリを訪れたとき、どこかでロートレック風のポスターに出会えるのではないかと期待しながら街を歩いていたことを思い出した。

ところで、19世紀末の多くのアーティストによる多くのポスターと版画が展示される中で、同時代に活躍したアルフォンス・ミュシャの作品がひとつも出ていない。なぜだろう?
展覧会の最後に展示されているフィンセント・ファン・ゴッホの浮世絵コレクションは、「この展覧会はビザンティン風の作品はあえて出さず、ジャポニスム的視点とその展開でまとめている」という意味の答えなのだろうか。
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