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2017年08月01日00:16

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月読み右近の副業

 駅前劇場でジャブジャブサーキット「月読み右近の副業」を観る。暗い照明の中での、怪談風な不思議な話の朗読から始まる。ここから現実へ戻り、ギャグが続いたりして雰囲気が激変するも、話と同じ言葉が出てきたり、「496」の数字が繰り返されたり、どこか奇妙。この雰囲気がいい。
 その中でヒロインのキャラクターが見えてくる。「月読み」と呼ばれる特殊な能力を持つ一族の出であり、その能力で芸能活動をした後、突如隠遁生活に入り、山奥に住んでいる。この公演で退団する看板女優咲田とばこ演じる、軽さと義侠心を併せ持つヒロインの魅力で見せる。その事実上の夫である車いすの男、援助する有力政治家、ヒロインが連れてきた身元不明の若い女性などが登場する。
 土砂崩れで集落は孤立。そこで再び暗い照明での朗読となる。朗読するのは2度とも身元不明の女性なのだが、ここで土砂崩れに巻き込まれたか、ボロボロになった女が現れる、現実に戻った時、この女が他の登場人物に見えてないことがわかり、驚く。
 観客以外に見えない人物は、この劇団の芝居に時々登場する。今回は物語から憑依するのが面白い。物語に引き込まれる我ら観客も同じだ。
 同じ手法を取った98年の「非常怪談」のように、この女が悪霊かと思ったが、後半は意外な展開へ。これは幽霊話ではなく、姉と妹、父と娘の、切れない血縁の物語だ。ギャグ連発のおばさんにも意外な背景がある。夫が車いすになった理由など、脇の人物にもドラマがある。彼らに新たな道が開ける幕切れまで、今回も楽しめた。
 
 
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