辞任ラッシュの27日だった。
まず昼過ぎに、民進党代表の蓮舫が辞任の記者会見だ。昨年9月の新代表就任してわずか10カ月。この間、指導力を発揮する場面は全く見られず、時に思いつき、ふだんはただ時に流されるだけだった。
◎政治家としての力量を欠く蓮舫の辞任は当然
むしろ政治の師匠と仰ぐ幹事長の野田の振り付けどおりだった気がする。蓮舫は、野田の率いる花斉会のメンバーだった。
ともかく発信力はあっても、政治力も統率力も、さらに日本をどうしたいかのビジョンすらなかっただけに、東京都議選で惨敗した後は、辞任は時間の問題と見られていた。
人材のいない民進党にあって、昨年の代表選圧勝はその発信力に期待されたわけだが、政治家として最も大切な後者を欠いてはどうしようもない。
◎次期代表、誰がやってもまた辞任か
これが自民党だったら、参加した派閥が鍛えて、当選5回目くらいには大臣にして、実績を積んでいく。その機能が無く、党内もバラバラの民進党にあっては、どんどん人材を消耗させていくが、蓮舫もその末端に連なったことになる。
次は、前原だ、いや枝野だと、清新さを欠いた人物をかまびすしく噂されているが、党のスタンスすら決まらない民進党にあっては、誰がやっても同じだ。
次の衆院選での大敗で、毎度おなじみに辞任劇を見ることになるのだろう。むしろその時の辞任の捨てカードとして蓮舫を温存しておくべきだったような気がするのだが。
◎郵政民営化を問う選挙で初当選した稲田氏
さて前述のように自民党には、若手を鍛える機能があるが、時にそれをかいくぐったりすると、不祥事を引き起こす。
1昨日の蓮舫の辞任のニュースが流れると、永田町で稲田朋美防衛相への視線がさらに厳しくなり、ついに夕方、防衛相も辞任の報が流れた(昨日、安倍首相に正式に辞表提出した)。
小泉政権の時の郵政解散の2週間前に、自民党本部の「南京虐殺」のでっち上げを講演し、これが聴講していた安倍幹事長代理(当時)の目に留まり、急遽、福井1区での郵政民営化法案に反対した松宮勲議員への「刺客」候補に擁立された。
全く地盤も無い土地での落下傘候補だったが、見事初当選を果たした。
◎経験の浅さとジェラシーの的になり
当選4回と、自民党としてはまだ陣笠の上の段階だが、安倍首相に重用され、それだけにジェラシーの的になり、また政治力・統治力を鍛えるまでに至らなかった。
つまらないことに足をすくわれての無念の辞任だろうが、彼女の当選1回目、2回目の時の国会質問などでの清新さと発信力は今も色あせない。
今後は、党に戻ってぞうきんがけから始め、当選6回目くらいの再登場を期待する。おそらく日本初の女性宰相に最も近い位置にいるのだから。
昨年の今日の日記:休載
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