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2017年07月20日22:57

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【展覧会】アルチンボルド展(国立西洋美術館)

NHKの日曜美術館で取り上げられた直後だからだろうか、祝日の朝一番に美術館に行ったら、チケット売り場にすでに行列ができていた。あまりに人が多いようならアルチンボルドの絵だけを見て、あとはスルーしようと考えたが、アルチンボルドの手によるものと確定している作品だけでも20点以上、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描も3点あって、それなりに見ごたえがある。幸い、場内が予想していたほどの混雑ではなかったので、時間をかけてちゃんと鑑賞することにした。

アルチンボルドの自画像は「面白い絵を描くイタリア人のおじさん」という雰囲気ではなく、細面な学者風。寄せ絵や上下絵などは「面白い」という以上に、鑑賞者の知的好奇心を呼び起こす。
「春」「夏」「秋」「冬」、「大気」「火」「大地」「水」といったテーマに沿ったアイテムを巧みに組み合わせて人物画のように見せるというアイデアがまず個性的だが、興味深いのはそれだけではない。アイテム1つ1つの描写が写実的で、図鑑を見ているかのようでもある。しかも、配置に妥協がない。人物の目や歯にあたる細かい部分でさえ、関連するアイテムのパーツをうまく利用して、すべて花、野菜や果物、鳥、哺乳類、水中生物などで埋め尽くしているのだ。
実際の作品は人だかりができていたり、長居できなかったり(私は背が高いので、絵に近い位置に陣取ると他の人の迷惑になる・・・)、細かい部分はよく分からない。拡大パネルが用意されていたのは非常にありがたかった。
ちなみに、「大気」と「火」は他の作品と比べてやや見劣りする感がある。この2作品のキャプションには「ジュゼッペ・アルチンボルド(?)」と記載されているので、もしかするとアルチンボルドではない可能性もあるかもしれない。

展覧会鑑賞後、ミュージアムショップでグッズを物色。本展覧会のメインはアルチンボルドの2つの連作『四大元素』と『四季』、全部で8枚の作品だが、グッズ化されているのは『四季』の中の「春」と「夏」が圧倒的。やっぱりそうよね〜・・・。セットで手元に置いておきたいと思う反面、他の作品はちょっと気持ちが悪いというか・・・。特に『四大元素』は生物の描写がリアルで密度が濃く、ある意味グロテスク。ちっとも癒されない・・・(笑)。

だまし絵的要素のある作品が多くて子供も楽しめるからか、場内は子供連れのファミリーが多かった。作品に何が描かれているかを調べて夏休みの自由研究にするのも良さそうだ。
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