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2017年05月11日06:28

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本当に本気なお嬢さん 2

日曜日の昼過ぎにやってきたナビーは次女の友達、30後半だろうか。
今日はねロンドンブリッジからの電車が不通で代行のバスで来たものだから遅れちゃって。
週末はねよくそうなのよ、週末こそあちこち行きたいのになぜか工事だとか点検だとかで不通なことが多いの。
説明した。
そうなんだ、ともかく遅れてごめんなさい
と長い髪を束ねながらナビーはテキパキと身支度。
庭に出て

さあ、なんでも指示して、わー、うずうずするわ、庭仕事したかったの。ここに来る途中でね、気がついたの、色々準備して来たのに靴だけ用意するの忘れてたことに。それでそこのすぐ近くのチャリティーショップに寄ったら、ほらピッタシの長靴があったの、いいでしょ?

緑色のその長靴は新しくサイズもぴったり。

ね?たったの1ポンド50ペンスだったの。

へーえ、よかったわね。あのチャリティーショップは昔風で本当にいいのよ。ところで庭だけどね、支持したくともできないの、どうして良いかわからないのよ。

じゃあ任せてもらえますか、そうですね、まずはこのパテオから始めましょう。

ナビーはそう言ってせっせと片付けを始めた。
プラスチックのテーブルと椅子を動かし、雑草を取り除き、植木鉢を移動し隅まで積もった枯葉や雑草を除去し始めたのだ。
私も手伝うべきなんだが、要領の悪い私がもたもたしていれば邪魔になるだけ。
日記の整理を続けることにした。

3時に簡単なランチとお茶を二人で取った。
ねえ、こうして週末に我が家に来てくれてあなたのボーイフレンドは嫌がらないの?

それがね、問題ないのよ。彼はシフトワークだから私たちほとんどすれ違いで今日も仕事なの。

そうか、じゃあ大丈夫ね。

だから、心配いらないの。すごくいい人だしね。彼に出会うまでは私は男運が悪くて、でも今は幸せ。

次女から聞いていたがいつもドメスティックバイオレンスを振るう恋人ばかりだったらしい。
ナビーは優しく親切で働き者なのに、なぜかつまらない男ばかりに出会っていた。
今の恋人に出会うまでは。
ある日次女がこの男性と付き合ってみるようにと勧めたらしい。
でも私のタイプじゃないからとナビー。
でもね、付き合ってみてから決めればいいのよ、彼は絶対いい人だから。
と次女。
そして付き合ってみたら徐々に惹かれたんだそうな。

昼食後ナビーは再び片付けに取り掛かった。
ゴシゴシ擦る音が聞こえたり掃く音が続く。

私は居間で日記の中から美人子さんのことを書いた日記を選んでまとめる作業を続けた。
美人子さんにプレゼントするため。
他には絵描きの親友に。
これは選ばず全ての日記をまずは2010年のものから。
プリントしやすくまとめていかなくてはならないので時間がかかる。

夕方次女とボーイフレンドがやってきた。
我が家の下宿人であるボーイフレンドは土日と次女と過ごし月曜日の夜戻ってくる。
が、なぜ今日なのかと思ったらこれから二人で食事に出かけるのだそうな。

あんた、こんなところに座ってナビーだけに仕事させていいの?
と皮肉。
うん、私何して良いかわからないもの。それに忙しいのよ。

笑った次女もラム酒にコークを足したものを飲みながらくつろいでいる。
なんなんだ?
次女は庭仕事は絶対しない。
小さい時からそうだった。
長女は昆虫や爬虫類、大自然全てが好きで庭仕事もよく手伝ってくれた。

日も暮れ始めたのにナビーはまだ働き続けているので声をかけた。
明日は仕事なんでしょう?もう止めないと朝起きれないわよ。

そうね、止めないといけないわね。でも楽しくて、もう少しもう少しって止められないのよ。でも止めなくちゃあね。
どうでしょ?片付いたでしょ?

パティオはすっかり綺麗になっている。
スッキリして気分がいい。
へーえ、こんなにも変わるんだと感心してしまう。

ずいぶん綺麗になったのねえ。

でしょ?セラピューティックで楽しかったわ!来週は来れないけど、再来週は庭を綺麗にしますね。だからしてほしいこと、思いついたことなんでも書いておいてね。
庭仕事させてもらってありがとう。

え、え、え、お礼言うのは私じゃないの?

ナビーはちっとも疲れを見せず嬉々として立ち去った。
再来週はちゃんとご馳走してあげよう。
そして私も一緒に庭仕事をしよう。

写真はbeforeとafter


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