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2017年03月21日12:51

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【オペラ】ルチア(新国立劇場)

タイトルロールを歌うのはベルカントの新女王オルガ・ペレチャッコ=マリオッティ。オリジナルに忠実に、グラスハーモニカという楽器も登場するとのこと。今シーズンもっとも楽しみにしていた作品、いよいよ開演!

幕が上がると、舞台の上に波が打ち寄せる断崖があった。新国立劇場で水を使う演出を見るのは初めてではないが、水を使うと思っていなかったので驚いた。舞台セットはこのほか、ルチアの居城の庭、エンリーコの部屋、広間、エドガルドの領地などに大きく変わる。
セットの上げ下げは機械で行うにしても、短時間で入れ替えをするためには秒単位で進行管理をしているのだろう。
狂乱の場は、血まみれのドレスを身にまとったルチアがアルトゥーロの首が刺さった槍を持って入場してくるというすさまじい演出だった。
歌手陣は安定していた。外国人ソリスト3人が特にパワフル。久々にバリバリとした歌声を聴き、「うわー、イタリアオペラを見ている!って感じがする〜」と思えた。
客観的に評価すれば非常に良い舞台だったと言えるだろう。だが、残念ながら、完成度が高い舞台だからといって感動するわけではない。
悲劇なのに音楽が長調で、気持ちが悪い。緊張感のある場面で、なぜ長調なの〜!(^^;)

今回の公演はグラスハーモニカというガラスの楽器を使用することでも話題性が高い。劇場のサイトに組まれた特集ページを事前に見た。指と楽器を水で濡らし、楽器のふちを指でこすると、柔らかい音が出る。オペラで使用するのはヴェロフォンというガラス管でできた新しい楽器で、ガラス楽器製作者・演奏者のサシャ・レッケルトが発明したものだ。そういう意味では「オリジナルに忠実」なグラスハーモニカの演奏ではないのだけれど、珍しい楽器を見て、その音を聴けたことは素直に嬉しい。
それにしても、この楽器は持ち運びや移動に神経を使いそう・・・。ふちに亀裂が入ったのに気付かずに演奏したら、指が切れそうだし・・・。



演出:ジャン=ルイ・グリンダ
指揮:ジャンパオロ・ビザンティ
ルチア:オルガ・ペレチャッコ=マリオッティ
エドガルド:イスマエル・ジョルディ
エンリーコ:アルトゥール・ルチンスキー
ライモンド:妻屋秀和
アルトゥーロ:小原啓楼

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