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2017年03月02日15:00

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すぐわかる哲学

物質の構成要素の最小単位である素粒子たちは個性の違いを無視して同じシュレディンガー方程式という数式に従って振る舞うものとして画一的に記述できる。

現実のリンゴたちはちょっとづつ違うけど同じ一つのリンゴというカテゴリーで捉えられる。

また、現実の具体的な人間は各人各様でも同じ人間という抽象概念によって一括りに出来る。

そのように、現実が言語という分類枠に入れられるように出来ていることから、言語で言い表される抽象概念が具体的な個物たちに先立ってそれらの原型として存在する、と、哲学者プラトンは考えた。

プラトンの考えをキリスト教神学に取り入れたアウグスティヌスによれば、概念乃至観念は、あの世に住んでいる神の心の中に目に見えない理想として存在するもので、それが現実化して目に見える具体的な形をとれば、この世になる。

したがって、プラトンの説における理想の現実化は、アウグスティヌスの文脈では霊の受肉として捉え直される。

つまり、すべての物に神は宿っていて、神の心の理性の領域に理想が存在してその根底に感情の領域が存在する。

そして感情や感覚を感じる心の根底に物がある、ということは、車の運転を覚えようとしている段階では操作についていちいち頭で考えながらでなければ運転できなくても慣れて操作を体が覚え込んでしまえば体が自動的に操作してくれるようになるから行き先について考えたり助手席に座っている人と話したりしながら運転できるようになる、ということから、言える。

自動というのは心を介在させることなく刺激に対して直接反応を返す物の運動のことだからだ。

つまり、物と心にまたがって存在する「観念」と、「物」と、「心」は、ジャンケンの「グー」「チョキ」「パー」のような三すくみの関係をなしている。

事程左様に、「観念」と「物」と「心」は等根源的な存在だから、「観念論」と「唯物論(実在論)」と「唯心論」という三者三様の言い分は考え合わせられていずれも正しいものになるのだ。

このような、世界を三つの原理で説明する、三元論は、プラトン=アウグスティヌス主義をさらに推し進めた数理物理学者ペンローズの独創である。
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