心は、学習能力を備えていて、たとえば車の運転を習うときは、最初のうちは操作について頭でいちいち考えながらでなければ運転できなくても、慣れてくるにつれて、体が操作を覚え込んでくれて、頭でいちいち考えながらでなくても体が自動的に運転してくれるよ

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僕は、哲学科卒だけど、本当は、人の心が分からなくて誰とも如何なるコミュニケーションも成り立たない、という問題を、解消するために、心理学科に、行きたかった。でも恥ずかしすぎる心の内を学的対象としてさらけ出さなければならないことを恐れて、生々し

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古代中国の創世神話は、陰陽入り混じった混沌という中性的一元が再び一つになることを目指して努力する陰陽という二元に分離した結果としてこの世が創られたとする。なぜ一元は二元へ分離したのかと言えば、目が目自身を見ることができないことから分かるよう

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親から植え付けられた「親のイマーゴ」という理想の人間像が肥大化している人は、理想像によって上から押し潰されている真の自己こそ意識で、その上に超自我という無意識があるのに対して、ちやほや褒められて育って形成された「誇大自己」こそ意識で、その下

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人は周囲の手厚い庇護を必要とするか弱い存在として生まれてくるので、心が壊れやすい幼少期に、虐待によって限界を超えるストレスを受けて、心が壊れてしまう場合のうちの衝動へのブレーキが壊れてしまう場合を、境界性パーソナリティ障害と言う。しつけられ

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母が気が弱く受動的で兄が性的嫉妬心と独占欲が強い、という状況下に、生まれ落ちた、僕は、兄が母を独り占めにしようとして、母にひっきりなしに話し掛けて、母が僕を構う隙を与えないようにし続けたので、母と兄の会話の輪に参加させてもらえなかった僕は、

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人間は、人間以外の動物と違い、現在目の前にあるものを、それしかないものとして、受け取るのでなく、記憶や予想の働きによって、過去や未来の次元を開き、現に与えられている環境構造全体に、過去に与えられた環境構造全体や、未来に与えられるだろう環境構

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人は侮辱されて自尊心を傷付けられる痛みを味わいたくないからこそ赤恥を掻いては猛省して頑張るのだ、とヘーゲルは言ったのだけど、ヘーゲルの人間の心理に関する議論は、物質的諸条件を見落としていて、現実味も具体性も欠く、抽象論だから、片手落ちだ、と

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理想が高い程度に達して現実から遊離すれば理想から遠い現実に憧れて理想を自己否定するに至ることも、込みで、性格をなすために、理想が高い人にありがちな現実への憎しみや嫌悪や軽蔑や忌避がない、という意味では、距離と障害に欺かれて現実を素晴らしいも

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感情と理性を、二項対立図式的に説明すれば、感情とは現実を認めまいとする心であるのに対して、理性とは現実を認めようとする心である。心理学者フロイトは「赤子は現実を憎悪と共に発見する」と言った。自分の思い通りにならない現実への憎しみの感情こそ原

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