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2017年02月27日04:21

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傷ついた美人こさん 2016/12/02

あら,お久しぶり、元気だった?忙しいのでしょう?

相手は仕事が入っている時期で忙しい日々を送っているのだろうと思っていた美人子さんからの電話。

そうでもないのよ、家にこもっていると増々めいってしまうから、KOKOさん何も予定が無いのだったらこれからちょっとお邪魔しても良いかしら?

あ、どうぞどうぞ。

その声で美人子さんがめいっているんだなと想像がついた。頭も悪く鈍感な私には何も大した事はできないが、きいてあげる事だけはできる。

美人子さんは離婚して以来通訳をしながら家のローンの支払いをしながら一人息子を大切に育ててきた。
今はその息子さんも30半ば。
そろそろ楽になっても良いころなのだが,残念な事に引き蘢りになってしまって、昼間寝て夜起きて過ごすのだそうで、暖房代がバカにならないらしい。
幼い頃は喘息持ちでアトピーだった息子の健康状態も母親として心配なのでほっておくわけにもいかず,夜中に起き出す息子の為に栄養を考慮した食事も用意しておくとか。
そんなで気苦労の耐えない美人子さんの日々なのだ。

やってきた美人子さんはいつもながらの黒づくめの洋服。
気分も変わるから他の色も試したらと云ってみたが,黒が気分的に落ち着くのだそうな。

仕事関係の話しから始まったが,びっくりしたことに美人子さんの声は詰まったり震えたりしながら涙までほろりと溢れる。
それを急いでティシューで拭く美人子さんの背中をさすって「どうしたの、なにがあったの?」とは何故か聞かなかった自分に驚いた。
私はぼんやりとこんな時もきれいなんだなーと思いながら見詰めていた。
そう思いながら今美人子さんが話している事は本題ではないだろうなと。
美人子さんは何か他の事で傷ついている気がした。

やがて理由が解った。
息子さんの事だった。
このところ息子さんは父親の方に行っている。
美人子さんは自分がいなくなった将来の事を考えて,父親と息子の絆を大切にしてきた。
嫌がる息子をなだめて時々父親を訪問させていた。
が最近は息子の方から父親を訪ねて行くようになった。
そして何週間か父親と暮らすわけだ。
仕事が少なくなった上に屋根の修理で貯金もつきた美人子さんはその状況を経済的にも助かると喜んでいたはず、な、の、だ、が。
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