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2017年02月15日13:00

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【展覧会】オルセーのナビ派展(三菱一号館美術館)

展覧会のチラシに「はじめまして、ナビ派です」「日本で初めて本格的に紹介する展覧会です」と書いてある。
「初めて」とはどういうことなのだろうか。自分の過去の展覧会鑑賞履歴を見ると、ピエール・ボナール、モーリス・ドニ、フェリックス・ヴァロットンの回顧展に足を運んでいる。ナビ派の画家の作品に出会うのは初めてではない。あるいは、もしかすると「オルセー美術館のナビ派コレクションが日本に来るのが初めて」ということなのだろうか?
何にせよ、ナビ派の展覧会は開催頻度が低い。でももっと鑑賞機会があっても良いと思う。なぜなら、ナビ派も日本美術の影響を強く受けている。印象派やルネサンスの作品と比較すると大胆、単純、平面的で逆に多少難解なイメージがあるのかもしれないが、屏風、掛軸、扇、浮世絵を連想させる要素が多く、日本人には違和感がない作風だからだ。

今回の展覧会は13人の画家・彫刻家による81点、ほとんどがオルセー美術館のコレクションで構成されている。ドニが21点、ボナールとエドゥアール・ヴュイヤールがそれぞれ14点、ヴァロットンが12点出ているので、それだけでも満足感がある。
印象深かった作品は以下のとおり。

ポール・セリュジェ「タリスマン(護符)、愛の森を流れるアヴェン川」:
抽象画的な画面構成と色使いが素敵。

モーリス・ドニ「テラスの陽光」:
迷いのない簡潔な線、少ない色数、大胆な色使い。小さい絵ながら圧倒される。

モーリス・ドニ「車窓にて」:
え、「車窓にて」? 乗り物に乗っているということ? ということは、キリストを描いているわけではないのか・・・。頭の後ろの黄色い円が光背にしか見えない(・・・多分、帽子のつばの裏側なのかも)。

エドゥアール・ヴュイヤール「公園」5点:
自分が公園の中にいて、作品に描かれている情景を眺めているような気分になる。


ナビ派のメンバーは仲が良さそう。作品から親密さが伝わってくる。家族ぐるみでの付き合いもあったのではないだろうか。
オルセー美術館の館長はナビ派の研究者とのことなので、今後は印象派以外のオルセーのコレクションを見る機会が増えるかもしれない。
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