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2017年02月04日10:49

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【展覧会】ティツィアーノとヴェネツィア派展(東京都美術館)

「ティツィアーノの絵」はヴェネツィア派の展覧会、あるいはプラド美術館所蔵品の展覧会で日本にいながらちょくちょく目にしているが、まとめて5点(工房との共同作2点を含めると、7点)を鑑賞できる機会はあまりないように思う。今回の展覧会はそのような意味ではかなり貴重。
ティツィアーノの生年は(諸説あるようだが、遅く見積もって)1490年、没年は1576年。86年の生涯だ。展覧会ではティツィアーノ作品は制作年代順に並んでいるわけではないが、ここでは年代順に並べておこう。

復活のキリスト(1510−1512年頃):
遠くから見たときに、明るくて垢抜けていると感じた。近付いてキャプションを見たらティツィアーノの初期の作品だった。春らしい爽やかな色遣いが心地良い。

フローラ(1515年頃):
これぞティツィアーノと言えそうな、美しい作品。女性の白い肌、金髪、軟らかい布と張りのある布の質感の描き分けが素晴らしい。女性が手に持っている花はバラ、スミレ、ジャスミンとのことだが、スミレがどこに描かれているかが分からなかった。

教皇パウルス3世の肖像(1543年):
教皇のマントと椅子に使われている赤のビロード。この色と質感がヴェネツィア的!ヴェネツィア派の展覧会では必ずこの色と質感に出会える。

ダナエ(1544−46年頃):
キレイなのだけれど、何となく雑な感じもしなくもない。以前、西洋美術館かどこかで開催されたプラド美術館展でティツィアーノの絵(音楽を奏する騎士のいるヴィーナス)の前で「何となく雑だな・・・」と感じたことを思い出した(笑)。

マグダラのマリア(1567年):
私にとって、ティツィアーノと言えは「マグダラのマリア」だ。といっても、展覧会に出ている作品ではなく、自宅にあるティツィアーノの画集に載っている別バージョンのものだが。しかし、今回、その画集の絵と似た構図、似た女性で描かれた本作を間近で見ることができて感激した。

ティントレットやヴェロネーゼをもう少し見たかった。いずれまた機会があるだろう。
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