早いものですね、もう10月になるのですから。
10月の美しい日本語を紹介します。
「陽月(ようげつ)」
天高く馬肥ゆる秋。
台風一過の青空。
太陽の光も明るく輝いて、陽月という言葉にふさわしい月になります。
しかし、この陽は太陽ではなく、陰陽道の陽のことで10月で陰が終わり、陽が始まるという意味だそうです。
「想紫苑(おもわれしおん)」
10月の誕生色は野に咲く紫苑の明るい紫。
倒れても起き上がる強さという意味があります。
昔、親を亡くした兄弟がいて、兄の方は忘れ草である萱草(かんそう)を、
弟の方は思い草といわれる紫苑をお墓に植えました。
兄は親のことを忘れてしまいました。
弟の方はいつまでも覚えていたということです。
か弱そうに見える花ですが、どんなに強い風が吹き荒れても起き上がる花。
それから、
心には決して忘れない思いを秘め、倒れてもすぐ起き上がるという意味で使われます。
「一葉(いちよう)」
桐の葉のこと。
大きな桐の葉が、はらりと落ちる様子は、
哀れさを伴います。
寂しさの葉っぱといわれています。
人の心の中に、そういった寂しさが幾重にも積み重なっていくように思えます。
「秋茜(あきあかね)」
赤いトンボの総称。
ふるさとの風景をさしています。
「草枕」
昔、旅先で草を枕にしたことから旅を意味する言葉になりました。
草の枕で見る夢は、ふだん忘れているものを、反対に目覚めさせてくれるのでしょう。
「百果の宗(ひゃっかのそう)」
百獣の王はライオン。
百花の王は牡丹。
果物の王は梨。
たっぷりの果汁は、楊貴妃の涙といわれています。
「月見豆(つきみまめ)」
枝豆のこと。
枝豆はまだ熟していない大豆のこと。
熟していない大豆を食べるのは日本独特の風習。
お月見の時に、枝ごと供えたことから枝豆になりました。
まだまだ沢山ありますが、またの日に紹介したいと思います。
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