mixiユーザー(id:18419990)

2016年08月31日12:30

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模写 '95年2月式カタログ

きっかけは、一冊の野鳥図鑑だった。78ページ右上の小首をかしげた野鳥の写真に心が動いた。さえずっている姿を見たいと思った。そんなささやかな気まぐれさえ、コンパクトにまとまった軽量ボティのジェベルなら、気軽に引き受けてくれる。野鳥の生息地までのルートをマップで確かめ、街の匂いのする一般道から林道へ乗り込む。低中回転域でよく粘るエンジン特性が、急な登り勾配や小刻みなコーナーを難無く越えさせ、さらに奥へと誘いかける。深い広葉樹林に視界がさえぎられた。エンジンを切って、デイパックから8X40の双眼鏡とカメラを取り出し、樹林の中へと分け入る。もちろん、野鳥たちのプライバシーをのぞかせてもらうのだから、それなりの遠慮は必要だ。できるだけ、音は立てずに歩く。これが最小限のルール。その鳥は梢の上にいた。カメラを構え、望遠レンズの焦点を合わせてゆく。体長20cmほどのスタイリッシュなモデルは、自然から授かったサンクチュアリ(聖域)を謳歌しているところだった。走りやすさが身上のジェベルが、記念すべき初めてのバードウォッチングを感動的なものに仕上げてくれた。
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