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2016年08月19日22:43

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「居酒屋ぼったくり」読書感想文

 先ずタイトルが汚いではないか!書店で見かけたら手に取って視ずにはいられない。尤も私も負けてはいない。公民館図書室で借りた。充分な話題作だと思われるのだが予約不要で普通に書棚に並んでいた。

 タイトルから汚い話かと思いきや、真逆で実に清らかな話だ。「ぼったくり」は創業者が謙遜して付けた店の屋号だ。物語では創業者は既に亡くなっており、その娘が切り盛りしている。「ぼったくり」どころか安過ぎて一部の客が潰れないかとやきもきする程だ。

 読み始め、1話完結ものかと思った。1話目がつまんなかったから読破しなくてもいいかな?と思った。2話目から面白くなり読破。通しのストーリーもあるようだ(砂糖が多いらしい)。とはいえ1話完結としても充分楽しめる内容だ。

 料理や酒に対する描写が秀逸である。料理の描写ではその料理が食べたくなる、或いは作ってでも食べたくなる。酒の描写では間違いなく呑みたくなる。現に最前、本書に出てくるヒューガルデン・ホワイトを奮発して買って呑んじゃったもの。うん美味かった。でもザイールのプリムスの方がもっと美味いと思うから、なんとかして輸入出来ないかと考えたりして。

 作者のプロフィールが知りたくてググってみたところ清々しい程に非公開!秋川滝美、女性の名前だし本書の内容も女性らしい。だが性別も非公開、もしや。

 ところで、最近ハマった書物に共通する要素がある。ワンパンマン・The Martian(火星の人)、そして本書である。その要素とはネットで無料配信されたという事だ。アクセス数のあまりの多さに出版社が飛びついた。本物の才能は埋もれる事なく直ぐに見出されるという事だ。これは良い事だ!

 近頃、自分の薄っぺらさに辟易している。Martianのワトニー程賢くないし、ぼったくりの美音ほど几帳面でもない。
 だが楽天的に捉えよう!アリストテレスだか誰だか忘れたが、自分が莫迦だと知ることが知の一歩だと言っていた。うん俺は莫迦だ。頑張んなきゃ。
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