mixiユーザー(id:26156846)

2016年05月24日19:40

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運転

『ジュネーブでタクシーに五マイル(八キロ)乗ると
三五スイスフラン(三五ドル)払うことになるが、
ボストンで同じ距離乗っても一五ドルほどですむ。

オスロでは五五〇クローネ(一〇〇ドル)払わなけれぱいけないディナーは、
セントルイスでは五〇ドルちょっとで食べられるはずである。

アメリカ人が休暇でタイやメキシコヘ出かけて
ドルをバーツやペソに替えるときには、
それとちょうど逆のことが起こる。

ディナー前の三杯目のマルガリータを注文しながら、
アメリカ人は一〇〇ドルが二○○ドルにも三〇〇ドルにも
増えたような気がしてくる(それともそれはアルコールのせいなのか?)。
もし市場為替レートが答国の生活水準を正確に反映するものであれば、
こうしたことは起こらないはずである。

ではなぜ、国がちがうと同額で貫えるもの(購買力)が
これほどちがってしまうのか?
それは基本的には、市場為替レートが
おおむね貿易財・サービスの需給によって決まる
(短期的には通貨投機も為替レートに影響をおよぼす)のに対し、
購買力のほうは輸出入されるものだけでなく、
その国のすべての財・サービスの価格によって決まるからである。

そして、輸出人されない財・サービスのうち最も重要なものは、
タクシーの運転、レストランでの給仕といった
個人対個人のサービスである。

そうしたサービスの輸出入には移民が必要になるが、
それは各国の移民政策によって厳しく制限されているので、
その種のサービスの価格は国によって大きくちがってしまうのだ。

要するに、タクシーや食事がスイスやノルウェーで高いのは、
それらの国の労働者の賃金が高いからである。
安い賃金の労働者がいるダイやメキシコでは、
タクシーや食事は安い。

一方、テレビ、携帯電話といった貿易財の価格は、
基本的には貧富に関係なくすべての国で同じ価格になる。』

ちょっと長いが面白いので引用。購買力が、
貿易財だけで決せられるか、すべての財を含めて決せられるのか、
ということ。国内労働者をどれだけ守ろうとしているか、
にかかるかも。
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