サイレンを鳴らしながら、全国から消防車がやって来ま
した。
震災後、10日たってもやってきました。
忘れることの出来ない広島の消防車があります。
「もう、仕事はないですね」と、私に語りかける隊長に、
「みんな、元気がなくて」と、言いました。
隊長は、私が避難所に行きましょう、と、さっそうと小
学校に来られました。
天気のいい日でした。
校庭に私が集めた避難者の皆さんに、隊長は、次のよう
なことを言われました。
「生きてれば、良いことありますよ」
でっ、敬礼!
みんなも、敬礼。
確かにその通りやと、みんな思ったことでしょう。
校門の外の消防車に送る私に、隊長は言われました。
30年、消防隊やっていますが、「とにかくどんな現
場でも、生き残った人に元気を与えること。それが、
消火よりも大切なことです」
と、にっこり。
世の中は、良い人がぎょうさんおるなあ!
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