炊出しに涙を流す。

震災後、１０日ぐらいすると、世の中全体が落ち着いてき
たのでしょう。

「炊出し」というボランティアの皆さんが、押し寄せてく
るよぷになりました。
まったくもってありがたいことでした。
我々は、あったかいものに飢えていました。

申し込みの受け付けは教頭先生、炊出しのための教育机や
らの用意はボランティア軍団と、役割が決まりました。
炊出しの方々は、水やら燃料やら入れ物やら、自己完結型
でやって来られました。
中には、食べた容器を回収して持って帰られる団体もあり
ました。胸を打たれました。

圧倒的に多かったメニューは「豚汁」です。
牛蒡、里芋、豚肉の取り合わせがこんなに美味しいものだ
とは、それまで知りませんでした。

教頭先生が、校内放送します。
「今日は、豚汁があります。４時から配りますので、まず、
２階の方から並んでください」

こんなにみんなが喜ぶ放送を、わしにもさせて下さい！と
いうことで、私も何回か放送しました。
つらい中でも、楽しいことはあるものです。