mixiユーザー(id:970668)

2015年12月25日12:21

234 view

クリスマス


本日はクリスマス当日でありんす。

エスさま(イエスさま?ジーザス・クライスト?)の御生誕の日、とされてるそうで、

前にもこの日記に書いたのですが

私としてはそれ以前のこの日の風習、「冬至のお祝い」の方がしっくりくるので御座いますよ。

それと個人的に、古い友人の誕生日が冬至と重なっている、

ということを何年か前に知り(教えてくれたSさんありがとう)、

遅まきながらその事をささやかに心の中で祝うだけです。

今年の「冬至」は、おとといだったんだよね。

しかしアレですね、、今思ったのだけれど

「冬至」を祝う、という風習はキリスト教以前(ってことは紀元前!)

から、世界各地で存在するらしいんですが、その切実な心境は・・・・・・

農耕民族のもの、なのかな。

季節の巡りが、いちばん「生きていくこと」に密接なのが「農耕の民」であったろう。

もちろん、どんな者でもそう、なのだけれど、特に。

実は俺もさっき、自分で管理してるささやかな「花壇」を見に行ったら、

来年春咲くはずのチューリップの球根が一個、誰か不届き者に掘り返されているのを発見して、

温和な私にしては珍しく、憤怒の中で丁寧に埋め戻す作業をしてきたばかり。

(不届き者には天罰が下ることを。)

球根はもう緑色の芽が、ちょこんと出ていて、愛らしいことこの上ない。

この子(←擬人化されている)がちゃんと咲くには、冬至を境にゆっくりと、

昼と夜の長さが逆転し、ほんの少しずつ、春に近づいて行ってくれないと。

「季節」にはちゃんと機能してもらわないと、生きとし生けるもの全てが困り果てるのです。

私は今現在、「冬休み」のような心境で粛々と暮らしておりますですハイ。

来年からは働き出す目途が立ち(先のことなんてわかりゃぁしないんだけどきっと、うまくいくであろう)、

近く「日常」が「日常としての顔」を取り戻す予定。

それで、どうなるのか?と言えばそれはそれで、また淡々と生きていくだけなのでありますが、

それだけで充分じゃ御座いませんか。

また新しい歌を創ったり、トモダチと逢ったり。

そんなことばかりが続くのかと思うと、嬉しくて眩暈で倒れそうな気になります。


さて、ここでひとつ、12月25日にふさわしい文学上のささやかな話を。
1
古い話なのですが

1979年に「群像新人文学賞」を受賞したのは

村上春樹氏の記念すべき第一作目の小説である「風の歌を聴け」なんですが

(俺はこの作品に個人的に、強い思い入れがあります)、

どうも、この作品、初めからこのタイトルではなかったみたいなのです。

確たる証拠はないのですが、

「ハッピーバースデーはホワイトクリスマス」

というのがもともとのタイトルだった、

という話が、関係者だけが知っている噂・・・として、存在するのです。

そう言われて見れば確かに、単行本の装丁は

佐々木マキ氏の描いた表紙画の上のほうに手書きの小さな字で

BIRTHDAY AND WHITE CHRISTMASと書いてあるし

(「HAPPY」は後入れされた「風の歌を聴け」の文字で隠されてしまっている)

表紙カバーをめくると真ん中に

             HAPPYB
             IRTHDAY
             ANDWHI
             TECHIRI
             STMAS●


とだけ、印刷されています。

まぁ、真偽の程はともかく、「ハッピーバースデーはホワイトクリスマス」って

型破りで一種、素敵なタイトルだし(俺はこっちの方が好き)、

このタイトル(かもしれない)、ということを念頭において読むと作品もまた、

違った感じがするかもしれません。


・・・・うーん、今思ったのだけれど「ハッピーバースデーはホワイトクリスマス」ではなく

そのまま英語(アルファベット)で、

「HAPPY BIRTHDAY AND WHITE CHIRISTMAS」

だったかもしれないよね。

真相を作者が公表することは恐らく、ない・・・・だろうから

本当はどうなのか?ってことはわからないんだけど。



「風の歌を聴け」、というタイトルはトルーマン・カポーティの

「夜の樹」という最高の短編集に収録されている

「最後の扉を閉めろ(シャット・ア・ファイナル・ドア)」の最後の文章から取った、と

村上春樹さんは説明しているのですが、

こちらも もちろん、素敵で御座います。





カポーティは本当に・・・・「天才」って感じがするよね。




2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する