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2015年10月26日23:14

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今週のオークラ

 上野オークラで池島ゆたか監督の新作「恋するオヤジ ビンビンなお留守番」を見る。池島監督の新作は、正月のゲイムービー以来。これほど長い間池島監督作を見なかったのは、91年のデビュー以来初めてだ。これが今のピンク映画の状態か。
 娘の世話になっている老いた父。娘は同居を提案するが、何か思惑がある様子。1年後、表札に娘夫婦とはみ出した父の名がある。予想通り邪険にされている様子で、居場所もない。そんな中、公園で若い娘と知り合う。話をするうちに惹かれる父。若返ってセックスを妄想したりする。これはピンク映画の主要観客であるシニア層の夢か。しかし映画はただ夢を見させるだけではない。直後、老いゆえのミスから一気に奈落へ転落する。
 由愛可奈さんは、デビュー作ではほとんど生かされていなかったが、ここでは魅力的に撮られている。那波隆史さんも「おやじ男優Z」に続き、老け役をしっかりと演じている。キャストも豪華で、佐倉萌さんと佐々木麻由子さんの姉2人が、妹の松井理子さんを責める場面は、3人の好演が楽しめる。飲み屋のママ役の山口真里さんも見せ場があるし、和田光沙さんもいつものインパクトはないが、印象的に出てくる。ピンク映画では珍しく、犬まできっちりと演出している。
 元空き巣の男が豹変したり、あの強迫は警察に相談すべき。そもそも鍵を紛失したら、他の方法があるだろう。ツッコミどころはあるが、さすが池島監督、全体として丁寧に造られている。
 そして主人公男女が最後までセックスをしない。安易に老人と若い娘をカラませる凡庸な作品とは違い、幸せな後味を残す。久しぶりの池島組、楽しませていただきました。
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