『子どもが一人の人間として尊厳をもって、今を豊かに生き、
成長発達するためには、
親や教師といった身近なおとなとの基本的な信頼関係が不可欠です。
子どもには、意見を言えるし聞いてもらえるという権利があります。
それが子供の権利条約に定められた意見表明権です。
この権利は、競争に打ち勝つ力のある子だけのものではありません。
すべての子に保障されている権利です。「ねえねえ」と呼びかけ、
無条件に「なあに」と応えてもらう権利なのです。
うけとめられる安心感を通じて、
子どもは生きていていいんだという自己肯定感と、
他人のことを考える共感の能力をはぐくみ、
自律性と道徳性を培います。
子どもの声を受け止められる条件を、おとなに保障することが必要です。
親が生活に追われ、仕事に追われていては
「なあに」どころではありません。
最大の問題は、社会の価値をお金と力に特化してしまっていることです。
「金と力があれば幸せなはずだ」という神話で国民を洗脳し、
理不尽な競争に駆り立てて疲弊させ、
豊かな人間関係を破壊し続けています。
子育てや教育や福祉の分野まで、市場原理が持ち込まれました。
安上がりの保育のために保育士を減らしたら、
保育園は成長の場から単なる遊びや預かりの場になります。
上意下達と研修と法律で教員が縛られていたら、
一人ひとりの声を受け止めることなどとてもできません』
「豊かな教育」は、もっぱら「競争」によりもたらされる、とする主張。
克服していかないと。
「豊かな生活」も「競争」の勝利者のみが享受できる、
につながっていくと考える私は間違っているでしょうか。
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