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2015年09月04日07:24

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講師は村松友視さん

身の上話からというか、自己紹介を含めて、ご自身のことから話し始めた。
上海仕込みの東京生まれの清水育ちだそうだ。
遠州森町の飯田村にも居たことがあるというのは我々聴衆との距離を縮める意味があったのだろう。
父親が亡くなったため祖父の籍に入る。
戸籍を見ると自分の一番上の兄が父親という奇妙な関係になっているそうだ。
そして育ちがまたすごいことになっている。
祖父は、その時々の愛人の家から妻子のもとに通ってくるというのだ。
母親は死んだことになっているのだが位牌はない。
その母が生きていることを祖母から教わるのだが、驚きの表情に苦労したようだ。
余りにも大きく驚くと今まで育ててくれた祖母の努力が無になるような気がするし小さすぎると既に誰かから聞いていたかと思われる。
何とも気の毒な気がするが、その時もうすでに作家としての素養が現れているのだろうと感じられた。
本日のタイトルである「旅ごころの不思議」に入る。
ここから数々の例を挙げて旅が通常の自分の心ではなくなる証拠を見せる。
新幹線で女性が車掌に「今日の空席は空いていますか?」と質問したという。
いつもならなんでそんなバカな言い方なんだと思うという。
だがその日は面白いと感じ、さらに車掌も「空席は満席です」と答えたという。
ちょっとネタ臭いと感じたが事実なのだろう。
タクシーに乗り宍道湖が見えてきて「ここから良い景色ですから良く眠れますよ」と運転手が言った。
食堂で女性がカレイの煮付けを食べていて裏返し「私、魚のB面が好きなの」と言ったという。
これが深い言葉のように感じ、これが旅の功徳なのかと思う。
ケータイが鳴ってオヤジが出て「お前よくここが分かったなぁ」と言った。
エピソードを語るとき左手でマイクを持っているときは右手が活発に動き雄弁にその情景を表現する。
マイクが右手に収まっている時には大して左手は動かないから、つまりマイクを持つ手を右から左に変えたとき面白い情景を思い浮かべているのだと察した。
人生が第三コーナーに差し掛かった老人というものを語る。
姿 形 佇まいを言葉で語ってしまうと大したことはないのだが別の角度で見て味わえば奥深さや広がりを感じるという。
日本の最高齢者であった泉重千代さんは女性について聞かれたとき「年上の女性がいい」と答えたという。
老人には特権的なユーモアがあり油断できない罠を持った人とも感じるという。
祖母から「リンゴは皮と実の間に栄養があるから丸ごと食べなさい」と言われたことを随分経ってから理解したという。
皮と実でできているリンゴには皮と実の間はない。
だがそこに何らかの栄養のようなものが潜んでいる。
だから人を見るときには名刺を見て肩書きや仕事で相手を見ようとしないで丸ごと見るようにするのだという。
よく笑いながらも大切なことを学べたと実感した。
笑わせながら大切なことを教える講師の筋書き通りに会場の皆が乗ったことを確認した。
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