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2015年08月03日13:05

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摩擦と懺悔

一、


わたしは請い祈るかもしれない

それよりも

わたしはわたしとはわたしとは

・・・・・

ある日わたしとは喧嘩する

共にそのつもりなくとも

互いに争いごととは起きるのだ

求めなくとも雨のように

・・・・・

ゼログラウンドの地上では

自他がいてなかなかうまくはゆかないだろう

だからわたしは懺悔する

この地上のうえに立ち歩き

そして座して過ちを後悔しるのである

・・・・・

わたしはひざを曲げて地上に伏し

おでこを地上の冥界におく

人が悔い改めるとき

必ず祈りとなって天の営みは聞き給う

ニ、

さてあるときに旅人は

風が北側から吹いていることに気づいた

北からの風はもうれつに吹く寒風にもなるので

旅人は用心して両の手でコートを掴んでいた

次の瞬間に烈風が吹きコートは吹き飛び

それどころか旅人は投げ出されて深い穴へと落ちてしまった

谷底かやまの溝の奥深くに飛ばされた旅人はしかし無事だった

地上深くの穴に落とされてなにも見えなかった

谷かなにか山底か

草藁のようなものに助けられたが

旅人は瞬間に自らの死を悟った

・・・・・

しかし不思議なものである

旅人は思った

人は誰もが例外なく死ぬことを

そもそもが知っているはずなのだ

しかしこのように切実に

目の前に死をみて感じるまでは

やはり死は遠いものなのだろう

・・・・・

旅人は思った

見えるものしか見えず

感じるものしか感じれず

生きているときには死は見えず

死を迎えてやっと見えるものもあるのかと


三、


旅人はそのときに懺悔し

悔い改めたのちに偶然と運命に

迎えられて奇跡的に生き延び

のちは平凡な余生をおくったと伝えられる



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