東京五輪エンブレム

2020年の東京五輪のエンブレムが騒ぎを起こしている。
ベルギーのリエージュ劇場のロゴと酷似しているというのだ。

確かに似ている。
組織委員会は「問題ない」とのコメントを出している。
識者によると法的には「セーフだろう」ということらしい。

しかし、そういうことが問題なのではないと思う。
法的にセーフならいいのか？
東京五輪のエンブレムがほかの何かに似ていてもいいのか？
国を挙げての行事の象徴となるものがほかの別のものを連想させてもいいのか？

そもそも新国立競技場といい、今回のエンブレム騒動といい、こんなにもケチがついていいのか？
組織が組織としてきちんと機能しているのか？
普通で考えればこの調子では五輪が成功するとは思えない。

この騒動で「五輪開催権を返上すれば？」という意見が少なくないことを知った。
必ずしもみんながみんな五輪開催を歓迎しているとは言えないようだ。

私も決まってしまったものは仕方がないと思うが、もともとは反対だった。
その前にやるべきことがあるのではないか、と思っているからだ。
震災復興もそう、原発問題もそう。

ことに招致の際に原発事故の汚染水問題について国の某トップが「状況はコントロールされている」とスピーチしたのには耳を疑った。
コントロールされているどころか、打つ手がない、が本当ではないのか？

そもそもそこから間違っていたのではないか、という気がする。

五輪ムードに水を差すつもりはないが、本当にこのままで大丈夫なの、というのがみんなの気持ちの偽らざるところではないだろうか。
ケチをつけているのはスタッフ側のお粗末さ。
なんだかこの国の政治のやり方に似ているよなあ、などとも思うのであった。

ところで、五輪のエンブレムだが、盗作云々は別にしても、招致のときに使っていた桜をモチーフにしたやつの方がよっぽどいいと思う。
それをそのまま使えば費用も節約できたろうに。