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2015年07月24日03:16

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介助犬チロルの愛の深さに感動しました。

 昨日放送された『ナニコレ珍百景』のなかで、捨て犬からセラピードッグとして起死回生を遂げ、12万人もの人間を救済したという菩薩のような犬の話に感動しました。

 今から23年前、大分である男が捨て犬と遭遇したところから話は始まります。
 その男は、捨て犬が虐待を受けていたのか、あちこち怪我を負っていた様子気になったのでした。しかし急用があったため、とりあえずそばにいた子供たちにエサを預け飼育を頼んで、その場から立ち去ったのでした。
 実は犬を見つけた男は、大木トオルといってアメリカを中心に、世界各地で歌手活動をしている著名なシンガーだったのです。この日も大分の公演の直前でした。
 チロルと名付けられたこの捨て犬が、大木さん出会うことで、単に拾われただけでなくその後の人生も大きく変えることになりました。

 数日後、大木さんはチロルのことが気になって、飼育を頼んだ子供たちに会いに行きます。ところがチロルは保健所に捕獲されていて、処分寸前となっていました。

 多忙な大木さんは、自身でチロリを飼うことが難しかったため、患者やお年寄りの心のケアをするセラピードッグを育てる施設に預けることにしたのです。実は大木さんは、アメリカでセラピードッグの育成活動をしていて、当時日本にはいなかったセラピードッグを広めたいと日本で育成施設を自ら作っていたのでした。

 しかし育成施設側は、セラピードッグに育成するためには純血種でないと難しいといいます。雑種で混合してしまうと犬の個性の把握が難しくなり、指導方法の絞り込みができなくなるからという理由でした。

 しかし、チロルは雑種ながらセラピードッグとしての天性の才能を大木さんに見せつけます。大木さんの熱意に押され施設に預けらることになったチロリは、通常2年半かかるという訓練をわずか半年で修了して見事セラピードッグとなりました。
 しかしその過程は順風満帆ではありませんでした。介護犬としては欠かせない、杖をもった人間に寄り添うことができなかったのです。たとえ大木さんでも、杖に手をかけるとチロルは思わず逃走してしまうのでした。きっと捨てにられる前に、棒状のもので殴られた記憶がトラウマとなって、恐怖を感じてしまったのでしょう。お年寄りには欠かせない杖が避けられない介護犬には致命的な恐怖心でした。

 大木さんは、そんなチロルのトラウマを克服すべく、毎日チロルと杖を持ったまま寝食を共にして、杖に対する恐怖心を無くしていったのでした。その後、セラピードッグとしてビューしたチロルは、様々な奇跡を起こしていきます。笑いや感情を失ったお年寄りにじっとアイコンタクトを送り続けて、無表情のお年寄りから微笑みを取り戻させたなど、人間の宗教家以上に、多くの孤独なお年寄りの心を癒していったです。その数何と12万人以上。膨大な数のお年寄りの元気を取り戻す手助けをしたチロリは、多くの人に見守られ惜しまれつつも2006年に天国へと旅立ったそうです。

 感動的なことは、チロルは人間から虐待を受けたのに、人間を恐れずに、逆に愛を与えたことです。これって人間でもなかなかできないことです。もともとセラピードッグとしての天性の才能をもっていたチロルは、虐待されてもなお、人間への強い関心を捨てきれなかったのでしょう。ただそれが素直に発揮できたのは、チロルを救い、介助犬へと導いた大木さんの深い愛情があったからこそでしょう。
 一匹の犬を助けた優しさは、やがて12万人の孤独なお年寄りの心へ愛を与えることに繋がりました。ささやかな優しさでも、それを与えることで、大きな愛へ繋がっていくのですね。チロルの魂は、きっと天使の魂が宿っていたのだろうと思います。

★ナニコレ珍百景番組サイト
http://www.tv-asahi.co.jp/nanikore/contents_pre/collection/

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