海面

『大切なことは、２割を読んで８割を得ること、８割を捨てるということなのだ。
読まない部分があることで、精読のみでこれまで本を読んできた人の多くは、
なんだか後ろめたいと思うかもしれない。
読まなかったところにすごく大事なことが書いてあったらどうしよう、と思うかもしれない。
だから鳥のように、上空で舞うことができず、すぐに海面に降りてしまうのである。
そこにも魚がいるかもしれないと思ってしまうのである。

もちろん魚はいる。しかし、あなたが食べることのできる魚ではないのだ。
海は広く深い。鳥であるあなたが食べることのできる魚が海面近くにいなくてはならない。
それを発見するには上空高くから見渡す方が効果的だ。

もし海面からずっと深いところに魚がいても、それは食べることができないし、
海面に近いところにいても食べきれないような大きな魚だったら、どうにもならない。
本が持っている情報もそれに似ている。

確かに全てのページに情報が埋まっている。
しかし、今のあなたに読み取れる情報は上空から眺めて理解できるところである。
理解できないところを読んでもあなたの情報にはならない。
難しいことが書いてあるなと思うしかないだろう。

結局本を読んで理解できるところ、情報を受け取れるところは、
あなたの意識、これまでに培った知識のレベルに左右される。
深く潜れる人もいれば、それほど潜れない人もいる。
かと言ってあきらめてしまったのでは
いつまでたっても浅いところの浅い情報しか受け取れない』

ま、どんどん読みすすめめと。わからんところあってもあまり気にするなと。