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2015年04月06日11:20

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【オペラ】運命の力(新国立劇場)

「そうそう、ヴェルディのオペラってこういう感じ!」と素直に納得できる、そつのない仕上がり。技術面では私がオペラに求める基準をすべて満たしている。
だが、感動や面白さに欠ける。1幕1幕は短いのになぜかすごく冗長だし、登場人物の誰にも感情移入できないし、途中で飽きてしまった。
舞台と自分の波長が完全に合うことなど滅多にない。これもご縁だろう。

今回の舞台は赤を基調とした演出。物語の舞台がスペインであり、登場人物たちが血塗られた運命をたどることを分かりやすく表現している。
1幕目から2幕目の転換は幕が下りず、アルヴァーロがひとり、赤い舞台の中で苦悩しながら椅子に腰かけているシーンが印象的。
カルロ役のディ・フェリーチェとプレツィオジッラ役のケモクリーゼが声にキレがあって特に素晴らしかった。
先に「登場人物の誰にも感情移入できない」と書いたが、1幕目でレオノーラがアルヴァーロと駆け落ちする前に父にもう一度会いたいと思う気持ちは分かるような気がする。

ところでこの作品、カルロの強力な執念と憎悪が引き寄せた結果の悲劇・・・つまり最近流行の「引き寄せの法則」だ。「運命の力」というタイトルはカッコいいけれど、「引き寄せの法則」に置き換えられるのかと思った途端にチープな印象になってしまった(笑)。



演出:エミリオ・サージ
指揮:ホセ・ルイス・ゴメス
レオノーラ:イアーノ・タマー
ドン・アルヴァーロ:ゾラン・トドロヴィッチ
ドン・カルロ:マルコ・ディ・フェリーチェ
プレツィオジッラ:ケテワン・ケモクリーゼ
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