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2015年02月24日12:59

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【展覧会】ワシントン・ナショナル・ギャラリー展(三菱一号館美術館)

印象派と分かった瞬間にスルーを決め込んでいた展覧会だったが、友人が見に行こうと誘ってくれた。友人曰く、「本来の印象派は裕福な市民の部屋に飾る小品。三菱一号館は明治時代の最先端のオフィスビルの復元。つまり、本来の生活空間の部屋に購入主の好みで飾るという印象派本来の姿がビクトリアンの建物とセットで見られるというまたとないチャンス」。
・・・なるほど・・・そういう視点はまったく欠落していた・・・。当時の作品を当時の雰囲気を残す建物の中で見るというのは確かに興味深い。
改めて展覧会のサイトを見てみると、展示作品はアメリカの富豪アンドリュー・メロンの長女エイルサのコレクションが中心になっているようだ。だから展覧会のサブタイトルに「私の印象派」と記載されているのだろう。

展示総数68点中、初公開が38点。とはいえ、印象派の作品なので「初めて見た!」感はない。小振りの作品が多く、雰囲気とレベルが統一されているので、圧倒的存在感を放つ作品もない。女性のプライベートコレクションという視点で見ると、今度は美術館という事務的な空間が味気ない。これらの作品がどのような調度品の間に飾られていたのかを知りたくなる。
パッとしているわけでもなければ、ピンと来るものもなかったが、入館した時間が遅めだったせいか、意外と空いていてゆっくり鑑賞できたのは嬉しい誤算だった。

自宅に飾ってみたいと思えた作品は以下の5点。

フィンセント・ファン・ゴッホ「オランダの花壇」:
遠くから見たときに「あっ、キレイ!」と思った作品。空は暗いが、ピンク、黄色、白、水色や紫などの花が色ごとに区分けされてびっしり植わっている様子がオランダの春らしく、これからの季節にぴったり。

オディロン・ルドン「ブルターニュの村」「ブルターニュの海沿いの村」:
空と海の明るいターコイズブルーが目を引く小品2点。初夏から秋の初めにかけて、それぞれの季節の風を感じられるのではないだろうか。

ジョルジュ・スーラ「海の風景(グラヴリーヌ)」:
黄色を基調にした朗らかな色がステキで、点描が浜辺の砂粒をも連想させる。抽象画的なので季節を問わず飾れそう。

アンリ・ファンタン=ラトゥール「皿の上の3つの桃」:
柔らかい皮と産毛の雰囲気が実にリアル。あ〜、おいしそう(笑)。


美術館の展示室の床にはカーペットが敷かれていた。自分の足音にびくびくしなくてよいのがありがたい反面、木の床の感触を味わえないのが少し寂しい。
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