mixiユーザー(id:735114)

2015年02月16日18:04

371 view

【展覧会】パスキン展(パナソニック汐留ミュージアム)

パスキンの油彩は、「真珠母色」と称される淡いピンクにグレーや茶色が混じった光沢のある柔らかい色を基調にして、水彩的なぼかしの効果を狙って作成されている。
そしてこの独特の雰囲気が何となく好きになれない。雰囲気が統一されていてメリハリがなく、漫然としてしまう。対象をはっきり見たいのに見られないもどかしさ。真珠母色の薄いベールが全体をふんわりと隠してしまうからだ。
しかもこのベールは濡れている。涙目で何かを見たときのような、雨に煙る景色を眺めているような、水がこぼれてインクがにじんでしまった時のような、どちらかというとマイナスな感情が湧きあがってくる。おまけにこのベールと水分は冷たくも熱くもなく、ズバリ「人肌」。最初に浮かんだ言葉は「なまぬるい」。自分の体温と同じ温度で濡れた服がまとわりつくような、何とも落ち着かない感覚だ。
多分、直前に3時間ものドキュメンタリー映画を見てぐったりしていたからなのかもしれない。心身ともに万全な状態で再度パスキンを見る機会があれば、と思う。

印象に残っているのは以下4点。

「チョコレート」:レトロな雰囲気が逆にモダン。ココアやチョコレート菓子のパッケージデザインに使えそう。

「酔ったナポレオン」:こちらもレトロモダンでかわいらしい作品。お酒のラベルにしたい(笑)。

「キューバでの集い」:享楽的な熱帯の夜の印象。ピカソのキュビズム的作品やシャガールの幻想的な作品も連想される。

「アルルカン」:向かって左半分のアルルカン(とその家族?)もステキだけれど、右半分の余白にさらりと描かれたマンガチックな男女の人物画が秀逸! こういう感じの挿絵は今でも新聞や雑誌に載りそうだ。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する