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2015年02月16日12:57

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【映画】ナショナル・ギャラリー 英国の至宝

ロンドンのナショナル・ギャラリーの裏側に迫る180分もの長編ドキュメンタリー。公開から1か月近くが経過しているのに、開場の30分前に映画館に行ったら、もう前の2列しか席が空いておらず、最終的には満席。観客全員が絵画好きとは思えないのだけれど・・・(^^;)

映画では美術館が所蔵する名画のほか、美術館の中で働く人々のさまざまな側面が映し出される。
展示品の入れ替え、照明の調整、教師や学生を対象とした教育プログラム、一般市民が参加できるワークショップ(目の不自由な人たちが立体絵画に触れられるワークショップは素晴らしかった)、絵画や額の修復、科学者による調査、花の活け込み、清掃、企画展への入場を待つ人々の長蛇の列、マーケティング戦略や予算について議論をするスタッフたち。ギャラリー内で演奏会やバレエを踊るイベントが催されるのも面白い。
他にも「なるほど!」と思うことがたくさんあったのに、作品が長すぎて覚えていられなかった・・・。

最も興味深かったのは学芸員たちのギャラリートーク。これらが映画の中で断片的に挿入されるのだが、大人向けも子供向けもどれも実に面白い! 説明を聞きながら絵に接すると、興味や想像がどんどん膨らんでいく。そして彼らは必ず参加者に問いかける。「皆さんはどう思いますか」と。
ハッとした。美術館で漫然と絵を見ていているだけではダメなのだ。絵を見る以外の日常生活で自分でいろいろ考える習慣を身につけるためにも、「なぜこういう絵なのか」を自分なりに考えなければ(間違っていても構わない)ならないのだ。

ドキュメンタリーなので、起承転結や華々しいクライマックスがあるわけではない。ナレーションも音楽もなく、淡々と映像が流れる。自分がその場にいるような臨場感が嬉しい。
ストーリーはないが、映される絵画は時系列になっていて、中世の宗教画からルネサンス、バロック、ロマン派、そして印象派の展示室へと遷移していく。
美術館の建物のみならず、トラファルガースクエアの噴水や、その奥に見えるビッグ・ベン、真っ赤なダブルデッカー等のベタなカットが懐かしく、またロンドンに行きたくなってしまった。



監督:フレデリック・ワイズマン
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