mixiユーザー(id:492091)

2015年02月16日04:47

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テレビ版『永遠の0』を見ました。

劇場版ではカットされた、新聞社が一番の戦犯で国民を煽って戦争推進を呼びかけたシーンがちゃんと復活していてよかったです。
 原作が、決して戦争の悲惨さを訴えたのでなく、特攻が志願制であった事実を呼び起こし、彼らがなぜ命を捧げてまで守ろうとした者は何かについて考えさせられる点は、ドラマ版のほうがいいと思います。
こうして比べると劇場版はかなりスポンサーの朝日新聞に遠慮して原作をねじ曲げていたことがよく解りました。

 劇場版の演出を評価している人のほうが多いようですが、それは主演の岡田の熱演ばかりでなく、それを演技指導した山崎監督の手腕ももっと評価されてもいいと思います。
感情の細やかな機微の表現や場面展開、カット割りを屈指して、観客をドラ泣きに導く手腕に於いて、山崎監督は天才的なものを持っています。『寄生獣』と『神さまの言うとおり』と比べても、同じ殺伐とした学園ドラマの中にも、その違いがはっきりしていました。

 ドラマ版の佐々木監督も凄く頑張って良いシーンをたくさん見せてくれましたが、劇場版と比べると監督の力量の差を感じてしまうのは仕方ないことだと思います。

主演の向井理は、自らも特攻隊員に敬意を抱いていることから、映画版の岡田に負けない魂のこもった演技だと評価したいです。

 テレビ版では、長い分戦後の宮部の妻子のその後がより詳しく描かれていてよかったです。特に妻役の多部未華子演じる気丈ながら儚さを放つ雰囲気がよかったと思います。
 ドラマ版やや不満なのが、ラストのホームドラマっぽい終わり方。そして特攻の理由を「解ったような気がする」という曖昧な表現で終わったことです。その点劇場版のほうはもっと明確に語られていました。日本の若者たちの未来への希望に繋げるメッセージがテレビ版のラストにも欲しかったです。

 なお、見逃した方は、早くもDVDが発売されるそうなので、レンタルでご覧になってください。
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