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2015年01月13日23:10

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どんだけハマってるんだか…

ここ数年、行くコンサートやライヴの八割以上がクラシックである。
響きのいいホールでそこで紡がれる音楽に集中するというのはとても快適である。そういうのに慣れてしまうと、ポップ/ロック系のライヴはいささかしんどいというのは偽らざるところ。ましてやスタンディングとなると寄る年波には勝てないのだ。
それなのにシートがあっても事実上スタンディングのBABYMETALのライヴに何故行くのか?
もちろん彼女たちのパフォーマンスを見たいというのが大きいのだが、歴史が刻まれていくその一瞬にでも立ち会いたいという思いも強いのだろう。

彼女たちは世界を獲りに行っている。
ホンモノかニセモノかという議論など彼女たちは歯牙にもかけやしないだろう。
メタルというジャンル限定だったとしても、ポップ/ロック界でこれほど海外で受け入れられた日本人はいない。派手なプロモーションをしたわけではない。歌詞を英語に替えたわけでもない。それでも彼女たちは支持を得た。
パフォーマンスが酷ければブーイングどころかモノが飛んでくるような世界である。スゴスゴと引き下がらざるをえなくなるリスクを覚悟で勝負に出た。もし海外ツアーで失敗すれば日本での人気にも影響が出てしまう。全てを失うかもしれなかったのだ。しかし彼女たちはその勝負に勝った。懐疑的や否定的な人たちでさえ振り向かせてしまうパフォーマンス、ただそれだけによって。
ことにフェスでは完全アウェーだったろう。大規模フェスでビッグネームが多数出演するとあっては、彼女たちを目的に来た人など少数だったはずなのだ。最初は静かな観客が次第に盛り上がり、最後は「We want more!」の声が次々に上がる。ありえない光景だった。

いろいろな批判をブッ飛ばしてしまうくらいベビメタ(神バンド含む)のパフォーマンスは凄まじい。

某レコード会社がメタル女子のオーディションをHP上で告知した。
ベビメタの二番煎じと言われることなどわかっていたろうから、なりふり構わずである。そのくらい音楽市場は停滞しているということなのかもしれない。
実際のところ、これからベビメタもどきがたくさん出てくるのだろう。
ロリにメタルやらせりゃ売れるやん、と安直に考える輩はいるはずだ。
それは大きな間違いなのだが、ある程度の需要はあるのかもしれないとも思う。←ヤバイ国ニッポン?

そもそも爆音に負けない声で歌える歌手がそうそう見つかるわけもないだろう。
見つかったとしてもそれだけではただの嬢メタル。
器楽隊を全員女子で揃えたとしても、女子メタル・バンドなんぞすでにたくさん存在している。
ダンサーを付けようものなら、それこそベビメタのコピーの誹りからは逃れられない。
ベビメタはアイドルとメタルのハイブリッドである。それを超えるのはおろか迫ることすら難しい。しかもベビメタはさらに前進を続けようとしている。
ただ、いいものを作れば売れる、ということがベビメタによって証明された。世界に通じるものが日本からも出せるということをベビメタは知らしめた。これは関係者や音楽を志す人たちにとっては励みとなるに違いない。

あどけない少女たちが成し遂げた、また成し遂げようとしていることはとてつもなく凄いことなのである。

SU-METALの超絶な歌唱なくしてベビメタは成立しない。
同様にカワイイを担うYUIMETALとMOAMETALがいなければベビメタにはなりえない。
三人揃ってこそのBABYMETAL。誰も欠けてはならない。誰も代わりはできない。
初めの頃はYUIとMOAの区別がつかなかった。見慣れてくると一瞬でわかる。後ろ姿でもわかる。
スッキリした顔立ちのYUIに対し、やや濃いめの顔立ちのMOA。
クールな表情のYUIに対し、笑顔全開のMOA。
ぷにぷにほっぺのYUIに対し、ほっぺにエクボのMOA。
ツインテールの巻きがきついYUIに対し、緩やかもしくは真っ直ぐなMOA。
キッチリ楷書体で踊るYUIに対し、流れるように草書体で踊るMOA。

まあ、三人ともフォトジェニックだよな。
それぞれ個性がある可愛さだが、共通しているのは凛とした芯の強さを感じさせるところ。
そうでなければ世界を相手に闘えまい。
最初の米国公演の終演後、脱水症状の兆候が見られたMOAが大事を取って救急車で運ばれた。幸い症状は軽かった。
カナダでの灼熱の野外フェスではステージ袖でYUIが首の後ろを冷やしぐったりへたり込んでいる写真がUPされた。それでもステージでは全開のパフォーマンスを見せる。
アウェーというだけでなく、過酷な条件下でライヴをこなしてきているのだ。神バンドのギタリストが「命を削り取るようなパフォーマンス」と評するのも故なきことではない。
あどけない笑顔の下に多くの修羅場をくぐってきた強さが覗く。凡百のアイドルにはない凄みが漂うあたり、彼女たちそれぞれにカリスマ的な魅力があるように思うのだ。

何を言ってもベビメタにノックアウトされた者の戯言になってしまうのは仕方がないのだが…。

『Road of Resistance』という曲がある。昨年のロンドン公演で披露された新曲である。
シリアスな内容で、王道のスピード・メタルであるこの曲は海外ではおおむね評判がよいようだ。国内ではどうも賛否両論というところか。ベビメタらしくないということが否定派の代表的な意見のようだ。だが曲の揺れ幅が大きいのがベビメタの特徴でもあるはずなのだ。
カワイイよりもカッコイイを全面に出した曲とも言える。ライヴのクロージングとしてこれほど相応しい曲はあるまい。旗を担いで三人が登場するところからしてカッコいい。そして誇らしげにBABYMETALのロゴが記された旗を掲げる。本編では観客がシンガロングできるパートが用意されている。劇的に大真面目に締めくくった後は、いつものように「We are!」「BABYMETAL!」と繰り返されるコールでは笑顔全開の弾けっぷり。
揺り動かされて振り回されて、それでも最後にはきちんと着地させてくれる、彼女たちのライヴはそんなライヴだ。

そして対照的なカワイイ新曲も用意されている。
おそらく『Road of Resistance』に対する批判を予想してのものだろう。悶絶級の可愛さである。

5月の海外ツアーまでは目立った活動はないと思われる。
YUIとMOAの高校進学があるためだが、それ以降は活動が活発化するのだろうか。
はたして待望の国内ツアーは行なわれるのか?
もしかしたら欧米よりも日本での認知度の方が低いのかもしれない。最もアンチが多いのは日本なのかもしれない。
海外のファンたちはベビメタのショウを渇望している。日本のファンもまた渇望している。「新春キツネ祭り」には海外からも多くのファンが訪れたという。
ホントにワールドクラスなのだなあと思う。国内ツアーをやるとしたらドームクラスだったりして。
さいたまスーパーアリーナの2万の次はそうなるよな。米粒になってしまうのは困るが、それはそれで痛快かも。
ドームでライヴは観ないと決めていたのだが、もしベビメタがやるのなら行ってもいいかな。

Road of Resistance、公式トレイラー。

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